『ミョヌラギ』は世界共通の嫁あるあるがいっぱい! 笑って泣けて考える韓国ドラマは必見

 自称“新世代の姑”パク・ギドン(ムン・ヒギョン)は嫁の私生活は尊重し、露骨な嫁いびりもなく思いやるシーンもある。ただ自身が男尊女卑の中で生きてきたこと、働いた経験がないことから男は外で仕事をして女は家事をするのが当然と考える。

 ストーリーには根強く残る性の固定観念や家父長制が描かれている。舅のム・ナムチョン(キム・ジョング)は典型的な例であり、わかりやすいのは祭祀の描写だ。日本では亡くなった人の法要は三周忌、七周忌、十三回忌を終えると定期的には行わないが、韓国には伝統的な文化を重視し、ム家のように毎年必ず祭祀を欠かさない家庭もまだたくさんある。女性は早くに集まって祭壇に備える御馳走を作り、男性は酒を飲んで待つ。韓国ドラマを観たことがある人なら、この光景を何度も目にしてきただろう。ここまでは「韓国で嫁に行ったら大変だな」と他人事で済むのだが、このドラマは世界共通の嫁あるあるが詰まっている。

 「私がやります」。義実家に行けば一度は口にする言葉だろう。誰にでも“よく思われたい”感情があるのは自然なこと。新しく家族となり、この先何十年と付き合いが続くなら尚更である。座っていられない、食器を洗っている方が楽だと思うのは首がもげるほど分かる。しかし問題はいつまで続けられるか、なのだ。次第に「優しい嫁って何?」「娘のような嫁って何?」と全てが当然と思われる不条理さにぶち当たってしまう。一方で、無条件にすべきだと思ってしまっていた自分が自らを苦しめていたことにも気づく。

 義実家との距離感や関係性で悩む時に、必ずセットとなるのは夫の対応力だ。例えば義両親の前でサリンの味方につけない頼りないグヨンを前に、もどかしくなる場面も多々ある。大学で同じ学科だった2人は本屋で偶然再会したのをきっかけに付き合い始めて結婚した。毎日一緒にいられるのが日常になれば、会える日が待ち遠しくて嬉しかった感情が薄れていくものだ。それに恋人から家族になっても、努力が必要である。私たちには築いてきた歴史があるけれど、これから築いていく時間の方がもっと長い。ドラマでは恋人だった時のエピソードも盛り込まれており、夫婦の在り方についても見つめ直せる。婚家との付き合い方、夫婦の生活、自分とのバランスを保っていくのは、結婚すれば共通する課題であり、重ねてしまう部分が散りばめられている。

 そして登場人物からも現代に生きる人々のリアルな葛藤が見えてくる。グヨンの兄夫婦の妻、サリンの義姉は祭祀に参加しないと宣言し、両家が別々に責任を負うことで合意。ミョヌラギを早々と卒業した義姉は、視聴者からも理想の姿とされている。またグヨンの妹、サリンの義妹が姑にストレスを抱えることで、ギドンもサリンに対して気づきを得るシーンもある。短時間に凝縮された共感の嵐が止まないのは嫁だけではないはずだ。

 シーズン2では仕事も順調で充実した毎日を過ごしていたサリンに妊娠が発覚。また新たな問題と向き合っていく彼女を見守りながら、自分自身も励まされる作品となるだろう。

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■放送・配信情報
『ミョヌラギ わが嫁たちの物語』
WOWOWオンデマンドにて、アーカイブ配信中
©️Kakao Entertainment Corp. 
配信ページ:https://wod.wowow.co.jp/program/190490

『ミョヌラギ2 婚家ワールドあるある日記』
WOWOWプライムにて、6月21日(水)8:30〜放送中 
WOWOWオンデマンドにて、第1話放送後全話一挙配信
©︎Kakao Entertainment Corp. 
配信ページ:https://wod.wowow.co.jp/program/190491

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