『オオカミの家』予告編公開 アリ・アスター製作総指揮の短編映画『骨』場面写真も

 チリ発のストップモーション・アニメーション『オオカミの家』の公開日が8月19日に決定し、あわせて予告編と場面写真、メイキング写真が公開された。

 クリストバル・レオンとホアキン・コシーニャの2人組監督による初の長編映画となる本作は、ピノチェト軍事政権下のチリに実在したコミューン「コロニア・ディグニダ」にインスパイアされた“ホラー・フェアリーテイル”アニメーション。チリ南部のコミューンから脱走し、森の中の一軒家で二匹の子ブタと出会った娘・マリアの身に起きる、悪夢のような出来事が描かれる。

 レオンとコシーニャは、監督のほかに脚本、美術、撮影、アニメーションなども担当。チリ国立美術館やサンティアゴ現代美術館のほか、オランダ、ドイツ、メキシコ、アルゼンチンにある10カ所以上の美術館やギャラリー、文化センターをスタジオ代わりに、実寸大の部屋のセットを組み、ミニチュアではない等身大の人形や絵画をミックスして制作した。さらに、実際に作る様子や制作途中の映像をエキシビションの一環として観客に公開するという独自の手法で映画を完成させており、企画段階を含めると完成までに5年の歳月を費やしている。また、レオンとコシーニャは、同時上映の短編『骨』の製作総指揮を務めたアリ・アスターの最新作『Beau is Afraid(原題)』のアニメパートも担当している。

 美しい山々に囲まれたチリ南部のドイツ人集落。“助け合って幸せに”をモットーとするその集落に、動物が大好きなマリアという美しい娘が暮らしていた。ある日、ブタを逃がしてしまったマリアは、きびしい罰に耐えられず集落から脱走してしまう。逃げ込んだ一軒家で出会った2匹の子ブタに「ぺドロ」「アナ」と名付け、世話をすることにしたマリア。だが、安心したのも束の間、森の奥から彼女を探すオオカミの声が聞こえはじめる。怯えるマリアに呼応するように、子ブタは恐ろしい姿に形を変え、家は悪夢のような禍々しい世界と化していく......。

『オオカミの家』予告編

 公開された予告編は、カルト教団のコミューンから脱走したマリアが、逃げ込んだ一軒家で二匹の子ブタと出会う場面から始まる。安全な場所を見つけたように思えたが、子ブタも部屋も禍々しい姿に形を変えていく様子が映し出されている。

 公開された場面写真では、禍々しい姿に形を変えた子ブタなどの様子や、少女が人間の死体を使って謎の儀式を行う様子が。メイキング写真では、レオンとコシーニャが実寸大の部屋のセットなどを制作する様子などが切り取られている。

 なお、本作のオリジナルA4クリアファイル付前売り券(税込1500円)は、6月17日よりシアター・イメージフォーラムにて発売開始となる。

 また、同時上映される短編映画『骨』の場面写真も公開。レオンとコシーニャが監督を務め、アスターが製作総指揮を担当した本作は、2023年、美術館建設に伴う調査で、少女が人間の死体を使って謎の儀式を行っている映像が発掘されたという設定で展開していく。

■公開情報
『オオカミの家』
8月19日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ
脚本:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ、アレハンドラ・モファット
出演:アマリア・カッサイ、ライナー・クラウゼ
配給:ザジフィルムズ
協力:WOWOWプラス
2018年/チリ/スペイン語・ドイツ語 /74分/カラー/1.50:1 /5.1ch/原題:La Casa Lobo/字幕翻訳:草刈かおり
©Diluvio & Globo Rojo Films, 2018
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/lacasalobo/
公式Twitter:https://twitter.com/lacasaloboJP

『骨』
監督:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ
エグゼクティブ・プロデューサー:アリ・アスター
音楽:ティム・フェイン
2021年/チリ/スペイン語/14分/モノクロ/スタンダード/ステレオ/原題:Los Huesos/字幕翻訳:草刈かおり
©Pista B & Diluvio, 2023

関連記事