『ガンニバル』脚本家・大江崇允監督最新作 落合モトキ×あのW主演『鯨の骨』今秋公開へ

 落合モトキとあのがW主演を務める映画『鯨の骨』が、2023年秋に全国公開されることが決定した。

 本作は、濱口竜介監督と共同執筆した『ドライブ・マイ・カー』や、ディズニープラス「スター」日本発オリジナルシリーズ『ガンニバル』の脚本も手がけた大江崇允が監督を務めた最新作。リアルとバーチャルが混濁する現代の寄る辺なさを、ミステリアスな迷宮ファンタジーに昇華させた。

 結婚間近だった恋人と破局した不眠症の間宮は、マッチングアプリで唯一返信をくれた女子高生と会うが、女子高生は間宮のアパートで自殺してしまう。うろたえて山中に埋めようとするも、気がつけば死体は消えていた。間宮はARアプリ「王様の耳はロバの耳(通称ミミ)」の中で、死んだ女子高生と瓜二つの少女“明日香”を発見する。“明日香”は「ミミ」を通じて再生できる動画を街中で投稿し、動画目当てのファンたちが街を徘徊するカリスマ的存在だった。 “明日香”の痕跡を追いかけるうちに、現実と幻想の境界が曖昧になっていく間宮。いったい“明日香”とは何者か、彼女は死んだ少女と同一人物なのか、そして本当に存在するのだろうか。

 まったくの未知だった拡張現実アプリにはまり込んでいくサラリーマン、間宮を演じたのは、『桐島、部活やめるってよ』『素敵なダイナマイトスキャンダル』の落合。そして、間宮のみならず、孤独なひとびとを引き寄せる明日香役には、ミュージシャン・あのが決定。そのほか、明日香に憧れ、「ミミ」内で新たなカリスマを目指す女性・凛役で横田真悠、間宮の恋人・由香理役で大西礼芳、明日香の熱狂的な信者・しんさん役で宇野祥平が出演する。

 あわせて公開された場面写真には、夜中に立ち尽くす間宮(落合モトキ)と、ARアプリ「ミミ」でカリスマ的存在の明日香(あの)の姿が切り取られている。

 なお本作は、第27回富川国際ファンタスティック映画祭コンペティション部門(プチョンチョイス長編部門)への正式出品が決定している。

コメント

大江崇允(監督)

「都会の夜は深海に似ている」このフレーズが映画の発端であり、またその全てです。

深海では、海底に落下した鯨の骨に群がり、その栄養を吸って生きる小さな生物群集が存在しています。それらは鯨の骨の栄養を吸い尽くすと、やがて骨と一緒に消えてしまう儚い生物です。そんな生物たちですが、どうやら薄っすらと発光しているそうなのです。僕には深海の点在する光が、まるで空から見た都会の夜の灯りと重なりました。僕が四角い水中眼鏡をかけて見ている世界、それがこの映画です。一人でも多くの人にこの眼鏡を楽しんで頂けたら嬉しいです。

落合モトキ(間宮役)

大江監督とイメージを合わせながら撮影していましたが、完成した作品を観た時自分の中には存在しないジャンルの映画でした。なので皆さんに観て頂いた後の感想が非常に楽しみな作品です。撮影中、印象に残ってるのはあのちゃんを追いかけるシーン。あのちゃんは信じられないくらい足が速くて久々に本気で走りました。でもそれが可愛らしく見えたり。是非劇場にお越し頂けると嬉しいです。宜しくお願いします!

あの(明日香役)

ただ無性に冷たくて息もうまく吸えないそんな時期に撮影し、撮影しながらまるで深海にいるような、何度も明日香が自分と重なっては濁って消えていく、そんな体験をしました。鯨の骨でしか味わえない何とも奇妙な浮遊感を皆様にも楽しんで頂きたいです。

■公開情報
『鯨の骨』
2023年秋より、渋谷シネクイントほか全国公開
監督:大江崇允
脚本:大江崇允、菊池開人
出演:落合モトキ、あの、横田真悠、大西礼芳、内村遥、松澤匠、猪股俊明、宇野祥平
プロデューサー:近藤多聞、片山武志
エグゼクティブプロデューサー:後藤哲
スーパーバイジングプロデューサー:久保田修
共同プロデューサー:田中美幸
音楽:渡邊琢磨
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
©︎2023『鯨の骨』製作委員会

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