要潤、『らんまん』では“少年のような心”が求められる? 3度目の朝ドラで期待される役割

 放送中の朝ドラ『らんまん』(NHK総合)では、神木隆之介が演じる主人公・槙野万太郎の植物学者への冒険が本格的に始まった。高知から上京し、どうにか住むところを得た彼は、ついに東京大学植物学教室の門を叩いたのだ。その先に待ち受けている新たな出会いと試練の数々。これからはこの連続なのだろう。中でも要潤が演じるキャラクターは万太郎に大きな影響を与える存在になりそうである。

 本作で要が演じるのは田邊彰久という人物。東京大学植物学教室の初代教授である。こう記しただけでも彼が重要人物なのは明らかだが、念のため劇中における立ち位置を明記しておこう。植物学を研究できる場などというのは、万太郎にとっては夢にまで見た世界。ここまでの彼の人生をたどってきた視聴者の方ならば、万太郎が非凡な才能の持ち主であることを理解しているだろう。しかし、彼は小学校さえ出ていないのだ。一般的に考えれば最高学府である“東大”に研究目当てで出入りするなどありえない。当然ながら反対する者だっている。だがこの田邊教授は万太郎を気に入り、彼の出入りを許すのだ。

 万太郎とは、いつまでも少年のような心を持った、いわば好奇心の塊。その彼と意気投合できる人物というのは、やはり似たようなマインド(=性質)を持っていなければならない。万太郎がかつて通っていた学問所「名教館」の学頭・池田蘭光(寺脇康文)や高知の自由民権運動家・早川逸馬(宮野真守)、そして万太郎が憧れる植物学者・野田基善(田辺誠一)らがまさにそう。この者たちの誰もが“少年のような心”を持っている。それでいて、当然ながら一人ひとりはまったく違う。要にも求められるのは同じくこの“少年のような心”であり、“東大教授”という立場があるうえでどうこのマインドを体現していくのかが注目のポイントである。

 そんな要といえば、若手俳優がエンターテインメント界の最前線へと進んでいく登竜門の一つにも位置付けられる、『仮面ライダー』への参加を経験している人物だ。それも、一大カルチャーとしてムーブメントを起こした『平成ライダー』シリーズの第2作目『仮面ライダーアギト』(テレビ朝日系)の主要ライダーの一人として、彼は俳優業をスタートさせた。ちょうどこの頃、小学生だった筆者としては、要のライダー姿がとても強く印象に残っている。以降は第一線での活躍を続け、これまでに経験してきた作品数は膨大。いまやバイプレイヤーとして数々の話題作の支柱となっている俳優だ。現在は人気ドラマを映画化した劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』が注目を集めているところであり、封切り前に放送されたスペシャルドラマ『TOKYO MER〜隅田川ミッション〜』(TBS系)での姿も記憶に新しいところだ。

関連記事