『名探偵コナン 黒鉄の魚影』シリーズ超初心者が観てみた 予習すべきポイントは?
劇場版『名探偵コナン』の最新作『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』が公開され、公開後3日間で興収31億円を突破、シリーズ歴代No.1ヒットを飾っている。『名探偵コナン』といえば言わずとしれた日本のアニメを代表する名作だが、実は筆者は本作が初の『名探偵コナン』シリーズの鑑賞となった。本作はそんな全くの“コナン初心者”でも充分に楽しめる作品であり、良い意味で『名探偵コナン』シリーズへのハードルが下がる作品だということを伝えたい。
コナン初心者として鑑賞前に1番不安だった要素は、やはり予備知識の無さだ。原作未読、アニメも未視聴の状態で、果たしてすでに劇場版25作、アニメにして1000話を超える物語が続いてきた作品を楽しめるのか……という点が大いに心配であった。前提知識は「主人公のコナンは“見た目は子供、頭脳は大人”な工藤新一であり、“蘭姉ちゃん”といい感じである」という頼りなさすぎるもののみ。もう少し予習をしようと本作の公式サイトを確認するも、相関図に“蘭姉ちゃん”は登場せず。しかし大変ありがたいことに、序盤10分を過ぎる頃に主要キャラクターの説明や各組織の説明が入り、概ねの関係性はそこで理解できた。『名探偵コナン』を長く追ってきた友人曰く「最初の10分はいつもの流れ」らしいが、その10分に救われた身としては、今後の作品でもキャラクター説明は続けてほしい。
初心者でも楽しめた理由は、ヘイトを集める絶対悪の存在がわかりやすく、映画としての起承転結がはっきりとしていたところだろう。さらに黒ずくめの組織との因縁の対決と並行して、コナンを取り巻く曖昧な男女関係が描かれていたことにより、物語の重さのバランスも丁度よく感じられた。ただ一点、これから本作を鑑賞するコナン初心者の仲間へ助言をするとすれば、黒ずくめの組織のメンバーの名前と関係を少し予習しておくといいだろう。予習なしで観てしまったがゆえに、キールが潜入捜査をしていることや、ベルモットの人物像は多少引っかかりを感じたポイントでもあったからだ。「黒ずくめの組織VSコナン」の構図の中で、もう少し黒ずくめ側のキャラクターの背景がわかると、本作後半の行動原理がわかりやすくなるように感じた。
『名探偵コナン 黒鉄の魚影』鑑賞前に整理したい“黒の組織”の情報 ネタバレなしで総復習
4月14日に公開された『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(以下、『黒鉄の魚影』)。公開3日目にして観客動員数が217万人を突破し、興行…
『名探偵コナン』を鑑賞してみて、自分が想像していたコナンとは異なった点がある。それは、コナンが特殊なアイテムを使う点だ。スケボーに乗るコナンのビジュアルはなんとなくどこかで見てきたような気もするが、まさかあのスケボーにターボエンジンが搭載されているとは思いもよらなかった。また、蝶ネクタイ型変声機を利用して、工藤新一として蘭に話しかけるコナンを見て、敵とのバトル以外にもアイテムがさまざまな形で活用されているのも新鮮だった。
勝手な想像ではあるが、天才であるコナンは己の頭脳のみで事件を解決するものだと思っていたため、『ドラえもん』を彷彿とさせるような夢溢れるひみつ道具=博士の発明品が登場したことに驚きを隠せなかった。映画館の音響システムと大画面で繰り広げられる派手なカーチェイスは観ているだけで楽しく、それだけで映画体験として高い満足度が得られるシーンであったと言える。蘭とピンガの肉弾戦には思わず笑ってしまったものの、突っ込みたくなるようなこの抜け感も魅力の一つなのだろう。