『らんまん』神木隆之介の“好きに夢中”になる姿が楽しい　“かわいい人”浜辺美波が登場

　寿恵子の存在は万太郎の心を震わせる。酔っ払っていた万太郎だが、寿恵子の声を捉えるとふいに視界が晴れるという演出が面白い。万太郎は木から落ちてしまうが、「大丈夫ですか？」と心配する寿恵子に見惚れる。寿恵子と竹雄が話している間も、万太郎は寿恵子を見つめ続けていた。寿恵子が去った後、万太郎は竹雄に打ち明けた。

「おまんの言うとおりじゃった」
「一目見ただけで、ここが、ぶわっとしたが！　心が震えた」
「あんなにかわいい人がこの世におるがじゃのう……」

　万太郎演じる神木の真剣な眼差しから、万太郎が心の底から寿恵子に惹かれていることが分かる。万太郎は「あ……竹雄、後生じゃ、あの人に……」と竹雄に頼み込み、寿恵子に会いにいくことを願うのだが、酒屋の当主たちに連れ戻されてしまった。当主たちに担ぎ出されながらも「わしはあの人に……！」と繰り返す万太郎の姿を見ていると、植物だけでなく好きな人にも夢中になってしまう性分なのだとわかり、これまたコミカルに映った。

　少し気になるのが、そんな万太郎の姿を見送る竹雄の面持ちだ。綾（佐久間由衣）に想いを募らせる竹雄だが、綾は幸吉（笠松将）と親しげだ。当主の万太郎は植物のことばかり考えており、目を離すとすぐいなくなってしまう。気苦労が絶えない竹雄はどんな思いで万太郎を見送っていたのだろうか。今後の展開に不安が残る。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回（全26週）】
総合：午前8:00〜8:15、（再放送）12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K：7:30〜7:45、（再放送）11:00 〜11:15
出演：神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作：長田育恵
語り：宮﨑あおい
音楽：阿部海太郎
主題歌：あいみょん
制作統括：松川博敬
プロデューサー：板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出：渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供＝NHK