『サイド バイ サイド 隣にいる人』特別映像 坂口健太郎、齋藤飛鳥らが役への思い明かす

 4月14日に公開を迎えた坂口健太郎主演映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』の特別映像が公開された。

 『サイド バイ サイド』=「隣同士で/一緒に」という題名を冠された本作は、リアルとファンタジーが混在する「マジックリアリズム」が息づく物語。『世界の中心で、愛をさけぶ』をはじめ、行定勲と数々の作品を作り出してきた伊藤ちひろがオリジナル脚本を書き下ろし、監督も務めた。不思議な力を持ち、傷ついた人を癒す青年・未山役で坂口が主演を務め、かつて起きたある事件がきっかけで、未山の前から姿を消していた元恋人・莉子を、乃木坂46からの卒業発表後初の映画出演となる齋藤飛鳥が演じる。そのほか、未山と共に生活を共にしている看護師の恋人・詩織役に市川実日子、未山の高校時代の後輩であり、ミュージシャンとして活動している草鹿役に浅香航大、詩織の娘・美々役に磯村アメリが名を連ねている。

映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』特別映像

 公開された特別映像は、坂口、齋藤、市川、伊藤監督、さらにプロデューサーの行定へのインタビューと、メイキング・本編映像で構成され、それぞれの役に対する思いや、キャスティング秘話など初公開のエピソードが収められている。

 出演が決まった際の第一印象はそれぞれバラバラだったようで、監督からの当て書きで作品のイメージなどの前談を知っていた坂口とは異なり、市川は「生きる、自然、人と人。おもしろい着眼点の監督だな」、齋藤は「役にはめて俳優を選ぶことが多いが、監督の坂口さんへの熱量を感じて、あたたかそうだと思い、やってみようかなと思った」と撮影前に感じたことを明かした。

 主人公の“未山”というキャラクターについて、「登場人物たちの反射のような存在」を演じることを伊藤監督から求められたと坂口が話すように、詩織と莉子、人によって異なる表情を見せる未山の本編映像も収められている。行定は、そんな未山のキャラクターを「輪郭が薄い、それが未山の死生観に繋がっていると感じさせることに成功しているのがすごい」と評した上で、「それは坂口健太郎の力量でもあるし、監督・伊藤ちひろのイメージしたものがすごく面白い」と2人のタッグを絶賛した。

 『映像研には手を出すな!』以来、久々の映画出演となった齋藤は、自身が演じた莉子という女性について、「ただの闇を抱えている女の子じゃなくて、時が止まっている感じ、年を取らない感じを見せたい。私の中に莉子に近いものがあると思ってくださっていたので、そのままでいいですよと言ってくださってました」と監督からリクエストがあったことを明かす。

 伊藤監督は齋藤について、「莉子は難しい役」と言いつつ、「齋藤さんが元々持っている少女性、危うさ、芯の強さが莉子にピッタリ」だったとコメント。行定も、伊藤監督が「(齋藤に)魅了されるんだよね」と語っていたことを明かし、映像内でも撮影中の齋藤の様子が切り取られている。

 未山と生活をともにする恋人・詩織の人物像に関しては、監督から「自然の中で暮らす、逞しい女性」を求められたと言う市川。伊藤監督は、「エネルギッシュで表情とか言葉とか端々に溢れる人が良かったので、実日子さんしかいなかった」と明かした。

 莉子、詩織、未山の3人について、坂口が「結構難易度高かったな」と振り返りつつも、市川は「ヒントを与えて、自分で考えるというのが演出だったのかも」と役作りについて語る。

 最後に伊藤監督は、コロナ禍を経て生まれたこの作品を通し、「自分の隣にいてくれる人の大切さについて考える、そういう気持ちに寄り添える作品になれたら」、坂口は「監督の感覚や考えを凄く噛み砕いてお芝居に乗せたことが、楽しかったし、すごく考えたし、余白がこんなにある作品になった。観てもらえるのが本当に楽しみ」とメッセージを送り、映像を締めくくった。

■公開情報
『サイド バイ サイド 隣にいる人』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
出演:坂口健太郎、齋藤飛鳥、浅香航大、磯村アメリ、茅島成美、不破万作、津田寛治、井口理(King Gnu)、市川実日子
監督・脚本・原案:伊藤ちひろ
企画・プロデュース:行定勲
エグゼクティブプロデューサー:小西啓介、倉田奏補、古賀俊輔
プロデューサー:小川真司 新野安行
音楽:小島裕規 “Yaffle”
主題歌:「隣」クボタカイ(ROOFTOP/WARNER MUSIC JAPAN)
製作:「サイド バイ サイド」製作委員会
制作プロダクション:ザフール
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2023『サイド バイ サイド』製作委員会

関連記事