『大病院占拠』短時間で信頼関係を築いた櫻井翔と白洲迅 SNS上の考察力に驚きを隠せない

 人質の“罪”を三郎(櫻井翔)に暴かせ、ネットの生配信「百鬼夜行ちゃんねる」を介して公衆の面前にさらすという、ある種の私刑が鬼たちの目的のひとつであるとわかってきた『大病院占拠』(日本テレビ系)。最初のほうで鬼たちの会話にあった“例の場所”についてはまったく触れられなくなってきているが、それは後々わかるのだろう。何せ、よくよく思い返してみれば、これは全話を通して24時間の物語(前回から今回までは3時間少々しか経過していないのである)。そう考えるとなかなか“詰め込まれている”というか、ずっと全力稼働している三郎の体力がどこまで持つのだろうかと考えてしまうわけで。

 2月4日に放送された第4話で青鬼から新たに命じられたのは、午後11時5分までにある人物の死の真相を突き止めること。その人物の名前をすでに目にしていると言われた三郎は、廃ビルで爆発したマネキンに着せられていた白衣を思い出す。“M.Kai”こと甲斐正美(西原亜希)は界星堂病院の感染症科の医師であり、4カ月前に急性心筋梗塞で亡くなっていた。担当医だった土佐(笠原秀幸)に話を聞いた三郎は、彼女の死に院長の播磨(津田寛治)が関与していることを疑う。案の定、播磨の車のドライブレコーダーには、甲斐が死亡した当日に現場にいた記録が残されていた。

 次の連絡が来るまでに過去の事件の真相を探っていくという点は第3話と同じだ。しかし今回は現場に出向いたり関係者へ聞き込みしたりするような足を使った捜査ではなく、駿河(宮本茉由)と志摩(ぐんぴぃ)のスキルを駆使して得られた情報をもとにして推理を重ねていく。事件当日の播磨の足取りと彼の秘書・石見(中村映里子)のSNSにあげられた写真でわかる情報からアリバイ崩しの材料となる情報を“特定”し、最終的には播磨と石見の不倫関係と甲斐を殺めた事実を暴く。1時間半の時間を費やしたその一連がほとんど見えないのは、このドラマが個々の事案の推理ではない部分に重きを置いている以上致し方あるまい。

 そんな指揮本部の様子と併行するように描かれていったのは、前回佐渡(阪田マサノブ)が企て、若狭(稲葉友)も巻き込もうとした薬品庫での脱走計画。しかし佐渡に同行したのは若狭ではなく裕子(比嘉愛未)であり、麻酔薬を食らわされた橙鬼(森田甘路)が佐渡を追っている間に裕子は因幡(明日海りお)と遭遇し、互いに情報を共有する。ようやく因幡が病院内で鬼たちに見つからずに潜伏していることの意味が出てくるのだろう、ラストで因幡は桃鬼と灰鬼の正体を目撃するのである(しかもしっかり撮影しているではないか)。

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