『6秒間の軌跡』本田翼の真価が最大限に生かされたひかり 入出力の演技が光る高橋一生も

 今回演じるひかりも“陽”か“陰”かでいえば、“陰”のキャラクターだ。ひかりは「何もかも捨ててきた」と言ったが、それは代わり映えのない人生を変えるためだった。自分の周りにあったのは、あってもなくてもどっちでもいいものばかりだったが、失うのが怖くて手放せなかったというひかり。そんな中、航が作ったチラシに出会い、数分で30万円もかかる個人向けの花火に何かを賭けてみたくなったという。本田が浮かべる微笑と淡々とした語り口調が、ひかりの掴めそうで掴めない、ちょっと変わった人柄をよく表している。本田がこれまで演じてきた中でも、一二を争うハマり役と言えるのではないだろうか。

 またそこに飯豊まりえや岸井ゆきのなど、共演する若手俳優の魅力を際立たせてきた高橋の能力も発揮されている。セリフがない中でも高橋の表情を見ていたら、相手の言葉を聞き、変化していく星太郎の気持ちが分かる。その入出力の演技が抜群に上手いから、一つの作品で主役にもなれるし、相対する役者を引き立てるバイプレイヤーにもなれるのだろう。

 高橋と本田がそうであるように、星太郎とひかりも一緒にいることで良い影響を与え合っている。自分の花火が変わるきっかけになったというひかりの言葉に、星太郎もまた変わるきっかけを与えてもらった。色や形は覚えてもらえなくても、美しい花火に心動かされた体験は記憶に残り続ける。星太郎自身がそうだったように。

 初めて花火を打ち上げた時の自分に会うため、本格的に個人向けの花火に向き合うことを決意した星太郎。どうやら姿は見えなくとも、航の存在に気づいているらしいひかりとの挑戦が始まる。

■放送情報
土曜ナイトドラマ『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:30〜0:00放送
出演:高橋一生、橋爪功、本田翼
脚本:橋部敦子
監督:藤田明二(テレビ朝日)、竹園元(テレビ朝日)、松尾崇(KADOKAWA)
ゼネラルプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:中込卓也(テレビ朝日)、山形亮介(KADOKAWA)、新井宏美(KADOKAWA)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:KADOKAWA
©テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/6byoukannokiseki/
公式Twitter:@6secEx

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