中村雅俊主演で浅田次郎の小説『おもかげ』ドラマ化 「すばらしいドラマになりうる」
中村雅俊主演ドラマ『おもかげ』が、NHK BS4Kにて3月下旬に放送されることが決定した。
本作は、浅田次郎の同名小説を実写化したヒューマンドラマ。商社マンとして65歳で定年を迎えた竹脇正一は、送別会の帰りに地下鉄の車内で倒れ、病院の集中治療室に運びこまれる。正一の妻の節子、同期で社長まで上りつめた堀田、同じ養護施設で育った永山、永山の弟子として働く娘婿の和志、それぞれが問わず語りに意識の戻らない正一に自らの思いを吐露していく。一方、正一本人は、ベッドに横たわる自分の身体を横目に、謎の美女に連れられるまま病院を抜け出し、思い出の場所を巡るという奇妙な体験を重ねていく。
脚本を手がけるのは、『バースデーカード』『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』などを監督した吉田康弘。主演の中村は、主人公・竹脇正一を演じる。
原作者の浅田は、「映像化を意識して小説を書いたおぼえはない。だにしても『おもかげ』は、脚本においても演出においても演者にとっても難しい作品であろう。まず生と死の対峙という主題が観念的であり、現実の場面は集中治療室のみで、メインストーリーは記憶と妄想によって構成される。しかし、難しいからこそすばらしいドラマになりうると思う。くしくも竹脇正一君と演ずる中村雅俊さんと不肖浅田次郎は、同じ昭和二十六年の生まれ。語り合わずともたがいの人生は理解できる」とコメントを寄せている。
■放送情報
4Kドラマ『おもかげ』
NHK BS4Kにて、3月下旬放送予定(119分)
出演:中村雅俊ほか
原作:浅田次郎『おもかげ』
脚本:吉田康弘
音楽:富貴晴美
制作統括:盛夏子(アミューズ)、神林伸太郎(NHKエンタープライズ)、小林大児(NHK)
演出:小林聖太郎
写真提供=NHK