『silent』真子と“リア友”になりたいの声も多数　藤間爽子の余韻に浸りたくなる演技

　そんな真子を演じた藤間の映像作品デビューは、2017年に放送されたNHK連続テレビ小説『ひよっこ』だ。ヒロイン・みね子（有村架純）が住む「あかね荘」の大家・立花富（白石加代子）の若かりしころを演じ、SNSで話題となった。『ボイスII 110緊急司令室』（2021年／日本テレビ系）、『僕の姉ちゃん』（2022年／テレビ東京系）などに出演後、注目を浴びることになったのが、二宮和也主演の『マイファミリー』（2022年／TBS系）である。

　藤間が演じたのは、鳴沢温人（二宮和也）がCEOを務める「ハルカナ・オンライン・ゲームズ」で働く鈴間亜矢。スリリングな展開が魅力のドラマだっただけに、放送当時は、手に汗握って考察したのをよく覚えている。同作で強烈なインパクトを残したかと思えば、続けて彼女自身2度目のNHK連続テレビ小説出演となる『ちむどんどん』（2022年）では、矢作知洋（井之脇海）の妻・佳代を演じ、知名度がさらに高まった。

　藤間は、日本舞踊家という一面も持っている。幼少期から、祖母の初世家元・藤間紫に師事し、2021年に、紫派藤間流家元・三代目藤間紫を襲名。今年は、国立劇場にて『紫派藤間流舞踊会』を開催、明治神宮にて奉納舞踊『島の千歳』を奉納した。さらに舞台にも数多く出演。桜井玲香とW主演を務めた『半神』（2018年）ほか、劇作家・俳優の長塚圭史主宰の劇団「阿佐ヶ谷スパイダース」に所属し、『桜姫』（2019年）、『老いと建築』 （2021年）のキャストに名を連ねるなど、俳優として成長し続けている。

　日本舞踊という伝統を守り、さらにそれを背負った上で、劇団の舞台や映像でも、柔軟にそして魅力的に役を表現している藤間。しっかりとしたベースがあった上で、それぞれの場所で責務を全うしている彼女を見ていると、今の活躍は必然ではないかと感じる。

　『silent』は終わってしまったが、いまは動画配信サービス全盛期。“リアルに親友にしたい”真子とのシンクロ率が高かった藤間の「演技の余韻」に浸ることができる。

　『silent』は、さまざまな発見があった作品だったが、藤間に関しては「また観たい演技をする俳優」だと思った。紬を優しく包み込む真子の表情や台詞まわしが、丁寧できめ細やか。思えば、回を重ねるごとに俳優・藤間爽子のことが好きになったのは『マイファミリー』をはじめ、他の作品でもそうだったーー。これほど、次回作が楽しみな役者はいない。

■放送情報
木曜劇場『silent』
フジテレビにて、12月27日（火）〜31日（土）再放送（※関東ローカル）
第1話：12月27日（火）16:30～17:45
第2話～第4話：12月28日（水）14:45分～17:45
第5話～第6話：12月29日（木）16:00～17:45
第7話～第9話：12月30日（金）14:45～17:45
第10話～最終話：12月31日（土）12:00～14:15

出演：川口春奈、目黒蓮（Snow Man）、鈴鹿央士、桜田ひより、板垣李光人、夏帆、風間俊介、篠原涼子ほか
脚本：生方美久
演出：風間太樹
プロデュース：村瀬健
音楽：得田真裕
主題歌：Official髭男dism「Subtitle」（ポニーキャニオン）
制作：フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト：https://www.fujitv.co.jp/silent/
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