『コネクト』は三池崇史の持ち味が全開! チョン・ヘインらと生み出した新たな映像体験

コ・ギョンピョ、キム・ヘジュンら韓国俳優の活躍に注目

 ドンスの目を移植されたサイコパスの殺人鬼オ・ジンソプを演じるのは、『恋のスケッチ~応答せよ1988~』『シカゴ・タイプライター ~時を越えてきみを想う~』『月水金火木土』などに出演してきたコ・ギョンピョだ。三池監督は、コ・ギョンピョがミーティング時間に遅れているのに、ニコニコしながらやって来たのを見て、「彼に(サイコパス役は)決まりだ」と語っている(※1)。ジンソプは、普段の顔と殺人鬼の顔を併せ持ち、自分の美意識を昇華させた作品として殺人を犯している。コ・ギョンピョは、常軌を逸した行動を楽しむさまを光のない目で演じてみせた。コ・ギョンピョが見せた新たな顔に恐怖した。

 ドンスを助け、“コネクト”について何か知っている女性チェ・イランを演じるのは、Netflixドラマ『キングダム』シリーズで世界から注目のキム・ヘジュンだ。ドンスのそばに現れ、敵か味方かわからぬイラン。窮地に陥るドンスを助ける彼女もまた“コネクト”だとわかり、孤独なドンスは仲間がいるとわかり心を開きかけるも、ドンスとイランの目指すところの違いがわかったところで物語は終幕に。全編のバイオレンスなストーリーと過激なグロ描写の中で、唯一の癒しとなったのはチョン・ヘインが歌う優しい歌声だ。人とは違う孤独との戦い、自分の能力を活かし前向きに生きていく人間ドラマに重点を置いた(※2)と語る三池監督の狙いどおり、ドンスの才能である音楽、その優しい歌声が哀しさの中に見えるかすかな、けれど眩い輝きとして耳に残っている。

 ウェブトゥーン原作とあって、全体的に漫画やアニメの感じが漂い、エグい描写があるが、ところどころコミカルで笑える場面もある。1話約40分で全6話のストーリーは、謎が残ったまま物語はシーズン2に続きそうな気配を見せている。本作の視聴者は、これまでの三池監督作品を追う人と、チョン・ヘイン、コ・ギョンピョ、キム・ヘジュンという韓国俳優の人気で観る人に分かれるかもしれない。韓国作品のファンだという三池監督は、「韓国の俳優は、生きていくエネルギーの強さや、役者にとって大事なパッションを持っていると感じた」と話した(※2)が、日本と韓国の良いところが融合し、シナジー効果で今後もますます両国のタッグにより、新たな映像体験を生み出してくれるのを期待したい。

参考

※1.https://www.youtube.com/watch?v=X4T5q9cHQvc
※2.https://www.wowkorea.jp/news/enter/2022/1208/10374768.html

■配信情報
『コネクト』(全6話)
ディズニープラス スターにて全話独占配信中
出演者:チョン・ヘイン、コ・ギョンピョ、キム・ヘジュン
演出:三池崇史
脚本:NAKA雅MURA、ホ・ダム
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