松下洸平、名実ともに国民的俳優の仲間入り 『アトムの童』で見せた新たな一面
さて、そんな隼人を演じる松下だが、朝ドラ『スカーレット』(2019年〜2020年/NHK総合)に出演して以降の彼の飛躍ぶりは本当にすごい。もちろん、それ以前にも出演作はいくつもあるのだが、視聴者数がほかとは圧倒的に違う朝ドラでヒロインの相手役を務めたことは、やはり大きい。事実その後、『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』(2020年/日本テレビ系)、さらにファンを獲得した『最愛』(2021年/TBS系)、今年は『やんごとなき一族』(フジテレビ系)に今作『アトムの童』と、地上波ドラマでの大役が続いている。いまや名実ともに国民的俳優の仲間入りを果たしているといってもいいだろう(朝ドラで最重要人物を演じたのがその根拠の一つだ)。
筆者は昨年の5月に上演された『母と暮せば』で、ステージ上の松下の姿を見た。そのときの彼のパフォーマンスに対して思ったことはすでに筆圧強めに書いているのでここでは省略するが(※)、松下本人に対しての率直な印象としては、“身近さ”や“親近感”を抱かせるものが何よりあった。映像作品でも、多くの方が彼の魅力の一つとして感じているのではないだろうか。しかしそれだけでは観客/視聴者はついてこない。ついていけない。やはり経験に裏打ちされた技術が必要で、彼の場合は音楽活動で培ってきたスター性を備えている点も大きい。というよりも、この二つがなければ作品の中心的存在は任せてもらえないはずである。
『アトムの童』でも、これらの松下のポテンシャルが存分に発揮されている。どこにでもいる若者が、“天才ゲームクリエイター”というスターとなり、さまざまな困難に立ち向かっていくさまを体現しているところなのだ。本作の成功のカギを握るのは、松下洸平の存在である。
参考
https://realsound.jp/movie/2021/10/post-891092.html
■放送情報
日曜劇場『アトムの童』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:山﨑賢人、松下洸平、岸井ゆきの、岡部大(ハナコ)、馬場徹、栁俊太郎、六角慎司、玄理、飯沼愛、戸田菜穂、皆川猿時、塚地武雅(ドランクドラゴン)、でんでん、風間杜夫、オダギリジョー
ナレーション:神田伯山
脚本:神森万里江
演出:岡本伸吾、山室大輔、大内舞子、多胡由章
プロデュース:中井芳彦、益田千愛
音楽:大間々昂
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/atomnoko_tbs/