『舞いあがれ!』“初恋と別れ”のフラグが同立? 近年の朝ドラの初恋成就は狭き門に

 連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)の第9週となる「私らはチームや」が放送された。ついに北海道の帯広校でフライト課程が始まる。舞(福原遥)、柏木(目黒蓮)、水島(佐野弘樹)からなるAチームは、鬼教官として有名な大河内(吉川晃司)が担当することに。過酷なフライト訓練、チーム内のいさかい、たくさんのことを乗り越えて舞たちはパイロットを目指すのだった。

 舞はこの訓練を通して初めて小型飛行機の操縦桿を握る。だが空を飛ぶ喜びを噛みしめる間もなく、舞は訓練の難しさに直面することになる。自信を失い、集中できない日々を過ごす舞に手を差し伸べたのは柏木だった。「食べ終わったら、部屋にこい」と舞に声をかけ、着陸のイメージトレーニングに付き合ってくれるという。2人は手作りの操縦桿を使って、懸命に機体の様子を思い浮かべた。そこで柏木は、段ボール製の操縦桿を握る舞の手に自分の手を重ねる。そっと重ね合わされた手をきっかけに、舞と柏木は少しずつ距離を縮めるのだった。とうとう第45話のラストでは柏木が舞に何か言いたげな様子を見せる。

 「俺、お前のこと……」と真剣な表情で何かを伝えようとする柏木。あまりに先が気になる金曜日に、落ち着かない週末を過ごすことになりそうだ。次週のタイトルが「別れと初恋」であることから「いよいよ舞と柏木の恋が始まるのか」とSNSも騒然。多くの視聴者が舞の行く末を見守ろうとしている。

 主人公の半生が物語の軸になることの多い朝ドラでは、その初恋ももれなく描かれる。だが、その多くは失恋に終わることが多い。ここ最近を振り返っても、100作目の朝ドラ『なつぞら』では互いに絵心のあるなつ(広瀬すず)と天陽(吉沢亮)が惹かれ合いながらも、片や夢を実現するため東京に、片や開拓者の跡取りとして北海道の地に残り、別々の道を行くことになる。101作目の『スカーレット』では、大阪に出稼ぎにきた貴美子が、働き先の下宿屋・荒木荘の住人である医学生の圭介(溝端淳平)に淡い恋心を抱くものの失恋に終わった。102作目の『エール』では裕一(窪田正孝)がダンスホールの踊り子・志津(堀田真由)に告白するも、こっぴどく振られている。103作目の『おちょやん』の千代(杉咲花)は映画監督志望の小暮(若葉竜也)に失恋し、105作目の『カムカムエヴリバディ』では3人のヒロイン中、2人の初恋が結ばれずに終わることに。

関連記事