『ファーストペンギン!』堤真一が見せた役者としての凄み 奈緒の前に現れた救世主の存在

 和佳(奈緒)、片岡(堤真一)、小森(北川尚弥)の少数精鋭となってしまったさんし船団丸。『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)第8話では、和佳が講演を行う水産フェアの会場で経験のある漁師を募集することとなる。

 小森も認める「そこそこ美人」な和佳は、テレビ出演も相まってすっかりアイドル的人気を博していた。見事なスピーチに「ジャンヌ・ダルクじゃ」と空いた口が塞がらない片岡とスタンディングオベーションで忠誠を誓う小森。その会場で出会ったのが、官僚から漁師になったという珍しい経歴を持つ「ビジネスコーディネーター」の波佐間(小西遼生)だ。人見知りな上に、嫉妬しやすいタイプの片岡はここでも和佳を介して波佐間に噛み付く。その結果、和佳と片岡で大喧嘩に。片岡は“東京砂漠“で一文なし、スマホの充電も切れた状態で迷子になってしまう。

 この第8話は、地元の有力者・辰海(泉谷しげる)から圧力をかけられ、さんしが追い込まれていく和佳側と東京にいる片岡側の2軸でストーリーが進んでいく。自暴自棄になり、わずかに財布に入っていたお金で呑みに行ってしまうのはいかにも片岡らしい。流山(速水もこみち)のフレンチレストランの店の前で、父を探していた息子の祐介(渡辺大知)と再会。2人きりで過ごす時間に祐介も嬉しそうに笑みを浮かべる。

 見栄っ張りで、注意されるととことんヘコむ、少々面倒くさい性格の片岡は、親子水入らずの食事の場でも祐介からの指摘に拗ねてしまう。でも、しっかりペペロンチーノはたいらげるーー自分の非を認め開き直った部分も見える、絶妙なさじ加減の演出、演技だ。翌朝、復活したスマホには大量の通知。それはバラバラになったさんしを心配するお魚ボックスの取引先、さらに東京で置いてけぼりにされた片岡を心配する和佳や仲間の漁師たちからの連絡だった。

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