ユク・ソンジェが演技ドルとして進化 『ゴールデンスプーン』は予想の斜め上を行く物語に
金のスプーンを使って親を入れ替えることができる社会派ファンタジー作品『ゴールデンスプーン』。主演のBTOB ユク・ソンジェが除隊後の復帰作で、演技ドルの名にふさわしい魅力的な磁力を放つ。そんな彼の悪の顔も見せる堂々とした成長が好評の中、最終話を迎えた。
以下、第15話、第16話のネタバレあり
不思議な老婆から金のスプーンを買い、財閥の御曹司テヨン(イ・ジョンウォン)と入れ替わった、貧乏人のスンチョン(ユク・ソンジェ)。一方、テヨンはスンチョンの家族と暮らすことで本来の性格でのびのび暮らせるようになっていた。
第15話は、スンチョン(ユク・ソンジェ)の父チョル(チェ・デチョル)が、テヨン(イ・ジョンウォン)の叔父のジュンテ(チャン・ユル)に刺されそうになるスンチョンを守り、命を落とすシーンから始まった。チョルを殺害したジュンテは、ヒョンド(チェ・ウォニョン)から追い詰められて拳銃自殺してしまう。
『マイネーム:偽りと復讐』に引き続き、本作でもヴィランを演じたチャン・ユル。本作で演じたジュンテは、両親を失い、姉であるヨンシン(ソン・ヨウン)を支えに義兄であるヒョンドに認められることを渇望していた人物だ。いつも笑顔を浮かべる“スマイルさん”というあだ名を持ちながら、歪んだ心から殺人を犯す人物だが、第15話では、ジュンテの哀しさに焦点が当てられた。事あるごとにスンチョンを敵視し、自分が認められるために必死だったジュンテ。ヴィランながら本作で一番不憫な人物だったのではないだろうか。
チョルの死により、これまでの選択を後悔するスンチョンは、テヨンに人生を盗んだことを謝罪し、戻りたかったら言ってくれと金のスプーンを返し選択を委ねる。テヨンは、このままスンチョンとして生きていくと答え、実父がヒョンドの友人であることを告げる。2人が入れ替わった場所で、神々しく輝く夕日に照らされるスンチョンとテヨン。自分の過ちを認めるスンチョンに対し、すでにスンチョンとして生きる覚悟を決めたテヨンの顔は吹っ切れたような、悟りのようなものを帯びた高貴さを感じさせる。
続く第16話では、スンチョンはヒョンドの罪を擦り付けられ逮捕されそうになるが、すんでのところで逃亡。ヒョンドが金のスプーンを持っていたことを知ったスンチョンは、ヒョンドが犯した罪の証拠を見つけ出し追い込んでいく。スンチョンにより警察に逮捕されたヒョンドは、スンチョンへの復讐を用意していた。テヨンとして犯した罪を償い、ジュヒ(チョン・チェヨン)とともに人生をやり直そうとするスンチョンは、荷物を取りに豪邸へ戻る。そして、時が流れテヨンは漫画家として成功を掴んでいた。