甘酸っぱい恋が実を結んだ『田舎街ダイアリーズ』 新人俳優の活躍で夏ドラマを締めくくる

 15年前の“秘密の友達”は“秘密の恋”に発展し、晴れて恋人となった2人はただただ甘い時間を楽しむ。ヒドン里の人たちに知られないためのスリルあるデートはさらに胸のドキドキを加速。初めての恋にはしゃいでときめくジャヨンのリアル彼女感は、こちらが恋に堕ちてしまいそうになる。

 ジャヨンに心情の変化も見られた。母親がいなくなり一人で生きてきた環境で、周囲から“愛情に飢えている”“可哀想な子”と思われているのも知っていたし、世話焼きで“いい人”でいたのは「嫌われたくない」という不安もあった。ジユルと恋をしてから“もっといい人”になりたいと言ったのは、「嫌われてもいい」からもっと周りに恩返ししていきたいという意味だろう。ジユルという存在が何よりもジャヨンを強くしてくれるのだ。

 ジョイが演じるジャヨンがリアル彼女なら、チュ・ヨンウが演じたジユルはリアル彼氏と呼んでもいいだろう。都会からきた合理主義で淡白な男が、ヒドン里そしてジャヨンに少しずつ心を開き笑顔が増え、恋のスイッチが入ると積極的に攻め、恋人になれて嬉しそうにはにかむ姿がかわいらしい。

 本作でロマンス初挑戦となったチュ・ヨンウは、新人俳優としても大きな前進となったはずだ。次回作となる2023年放送予定のKBSドラマ『オアシス(原題)』では、チャン・ドンユン(『ノクドゥ伝~花に降る月明かり~』)やソル・イナ(『社内お見合い』)らと共演。今度は恋のライバル役として新たな魅力を発揮してほしい。

 サンヒョンは、好きな人の恋愛相談をうっとおしそうな顔をしながらちゃんと話を聞いてアドバイスまでする人の良さで、最後に心を掴んできた。視聴者に「幸せになってほしい......」と願わせたら恋の二番手役としては成功だ。ロマンスやラブコメだけに限らず、さまざまなジャンルで演じるペク・ソンチョルを見てみたいと思わせる活躍ぶりであった。本作はフレッシュな俳優たちの今後の飛躍に期待したいドラマとなったとも言えるだろう。

■配信情報
『田舎街ダイアリーズ』
Netflixにて配信中
(写真はKakaoTV公式Twitterより)

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