『ユニコーンに乗って』西島秀俊演じる“シゴデキ”小鳥が大活躍 切ない佐奈と功の関係性

 やはり佐奈(永野芽郁)と小鳥(西島秀俊)は過去に既に出会っていた。高校生の頃、図書館で勉強する佐奈の姿を小鳥は度々目にし、書棚から代わりに本を取って手渡したりもしていた。そんな運命的な佐奈と小鳥の不思議な巡り合わせが明かされた『ユニコーンに乗って』(TBS系)第6話。

 ビジネスコンテスト(以後「ビジコン」)にも優勝し、その賞金だけでなく羽田(広末涼子)からの3億円の出資まで決まり、乗りに乗っている「ドリームポニー」(以後「ドリポニ」)だが、佐奈の心の拠り所がぐらつき始める。

 まずは“社内恋愛禁止”を掲げ、ビジネスパートナーでいようと約束していた功(杉野遥亮)との関係性。ビジコン優勝の高揚感も手伝って「好きだ」と思わず口走った功の言葉を「それって人として好きってことだよね?」といなすしかない佐奈。なんだか学生時代の部活や無駄に校則の多い私立学校でもあるまいし、それぞれに大人なのだからそんな縛りなどなくても良いのでは?と思ってしまう節もあるが、確かに恋人を失うと同時にビジネスパートナーを失うことにもなってしまうのは、このドリポニにとっても正念場の今、避けるに越したことはなさそうだ。

 業界最大手「ゲームアカデミア」の CEO・永瀬(松尾貴史)からのヘッドハンティング話を受けて、功の中では佐奈への想いや自分自身の仕事観が改めて見直され固まっていく。並べられた好待遇を前に「どれも欲しくはありません」ときっぱりと答える功の表情は晴々としており、やはり“坊ちゃん”功と“貧乏少女”佐奈の出会いもまた運命的であり必然だったのだと印象づけられる。「一緒に働きたい人がいるからです。彼女が思いついたアイデアを形にしていくのが僕のやり甲斐なんです」と言い切ることのできる功は、ある意味幸せ者とも言えるだろう。

 しかし「あの日のことは忘れて最高のビジネスパートナーでいよう」と修正した功に対して、去り際その後ろ姿に“あの約束もなしってことかな……?”と反芻する佐奈の姿もまた歯がゆく切ない。ドリポニ創業のきっかけになったビジコン優勝後に、功が寝ている佐奈に向かって呟いた「お互い30歳になっても相手がいなければ結婚するのもアリだよな」という提案を実は佐奈はしっかりと聞いていたのだった。

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