『ベイビー・ブローカー』インタビュー

カン・ドンウォン「“映画”を作っている感覚があった」 念願の是枝裕和作品出演を振り返る

「僕にとって“俳優”は、仕事でも趣味でもある、大事な存在」

ーー今まで一緒に仕事をしてきた監督と是枝監督を比較して、何か特徴的だと思ったことはありましたか?

カン・ドンウォン:是枝監督はモニターを見ないんです。僕にとってはそれがとても不思議でした。ドキュメンタリーのバックグラウンドを持っていらっしゃるからかどうかはわかりませんが、それが今まで一緒にやってきた他の監督とは全く違う点でした。モニターを確認しないままOKを出すのはすごく珍しいことだと思います。是枝監督にも「モニターを見ずにOKカットを出せるのはすごく不思議です」と伝えたことがありますが、モニターではなく現場にずっと監督がいらっしゃるので、最初はすごく見られている気がしてちょっとぎこちなかったかもしれません(笑)。

ーーそうなんですね(笑)。そういうところにも是枝監督の映画に対するまなざしが表れているのかもしれません。

カン・ドンウォン:是枝監督と一緒に今回の映画を作りながら、とても久しぶりにフィルムカメラで映画を撮っているような感じがしたんです。実際はフィルムカメラではないのですが、まさに“映画”を作っている感覚がありました。不必要なものは撮らずに進められましたし、ロングテイクも多かったので、僕たちもすごく集中してお芝居をすることができました。

ーーモデルからキャリアをスタートされて、俳優としては20年以上のキャリアになりますが、あなたにとって“俳優”という仕事はどのようなものでしょうか。

カン・ドンウォン:本当におもしろくて、死ぬまでずっとやりたいと思える仕事です。お芝居をするだけではなく、映画やドラマ、映像を作る作業は自分の人生そのもの。僕にとって“俳優”は、仕事でも趣味でもある、大事な存在です。

――今年3月にはアメリカのエージェントと契約されたという報道がありましたが、今後はハリウッドや海外の映画にも積極的に出演されていくんですか?

カン・ドンウォン:まず、僕は全世界の有能な、才能のある方と仕事がしたいと思っています。そして、会話もしてみたい。彼らからインスピレーションを得たいですし、僕も与えることができるかもしれない。なので、韓国映画やハリウッド映画などは問わず、様々な人たちと仕事をしてみたいと思っています。

■公開情報
『ベイビー・ブローカー』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、イ・ジウン、イ・ジュヨン
製作:CJ ENM
制作:ZIP CINEMA
制作協力:分福
提供:ギャガ、フジテレビジョン、AOI Pro.
配給:ギャガ
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