『チャッキー』衝撃復活! 過去の謎も解き明かされる? シリーズ新時代へ突入
チャッキーが帰ってきた! しかも、今回はシリーズ初のテレビシリーズ版。『チャッキー』シーズン1が、6月24日からHuluプレミアで全話一挙独占配信される。
80年代ホラーアイコンの復興は、もはや珍しいものではない。リメイクやリブート作品が作られていくことも今に始まったことではない。しかし、その中でも殺人人形でお馴染みの“チャッキー”が、映像、ストーリー、コミカルさ、全てにおいてアップデートされ、テレビシリーズとして復活したのは特筆すべきだろう。米批評サイト「Rotten Tomatoes」でいきなり91%の高得点を叩き出す本作の面白さの秘密は何なのか? 過去作の謎が解き明かされるだけでなく、あのキャラクターが帰ってくる!? という情報も飛び交っている。そんな注目のテレビシリーズの配信にあたり、過去作を振り返ってみたい。
『チャッキー』シリーズは“仕事人”としての印象が強い。1988年に公開された第1作は900万ドルで製作したにもかかわらず、約4400万ドルの世界興行収入を叩き出した。本作は、グッドガイ人形に殺人鬼の魂が乗り移り、アンディ少年(アレックス・ヴィンセント)と家族を脅かすという物語。第1作目の成功を機に続編が量産されるシステムは、同じようにホラーアイコンを生み出した『エルム街の悪夢』(1984年)や『13日の金曜日』(1980年)にも通じる。そして、初期作品がホラー色強めで描かれたうえで、続編で“遊び出す”点も、この2作品と『チャイルド・プレイ』シリーズの共通点に思える。
続編『チャイルド・プレイ2』(1990年)では、養護施設に送られたアンディをチャッキーが追いかける。ここまではチャッキーが“怖い”印象で描かれていたが、第2作から8年後を舞台にした第3作『チャイルド・プレイ3』(1991年)からはギャグ要素が入り混じり、第4作の『チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁』(1998年)からはむしろコメディ色がホラー色より上回った。その雰囲気は第5作の『チャイルド・プレイ/チャッキーの種』(2004年)まで継続されたが、第6作の『チャイルド・プレイ/誕生の秘密』(2013年)からは原点回帰するかのように、1作目のような純粋なホラー映画に戻る。物語としても、第1作と強い繋がりがあり、第7作の『チャイルド・プレイ~チャッキーの狂気病棟~』(2017年)にはついに大人になったアンディがカムバックし、再び主人公としてチャッキーと対決することに。アンディを演じる役者も、第1作から演じるヴィンセントが続投している点でシリーズがオリジナルのストーリーラインを愛し、それを保ち続ける姿勢が感じられる。
1988年からコンスタントに新作を出し続ける製作陣も、全作で大量殺人をおかすチャッキーもまさに“仕事人”の鑑! 2019年にはリメイク作品が公開されたが、今回配信されるドラマ『チャッキー』は、間違いなく“正史”の物語。過去作と地続きになっていることはもちろん、シリーズの生みの親であるドン・マンシーニが製作総指揮を務めているため、安心の出来だ。なお、日本語版吹替版では第5作からチャッキーの声優を務めた島田敏が続投。これまでのシリーズを観ているからこそわかる内容が盛りだくさんなので、復習をした方が楽しめることは間違いなし。しかし、初見でも楽しめられる理由は、本作『チャッキー』のテーマ性にあると感じる。