『未来への10カウント』で木村拓哉がコーチ役を通して辿り着く“Next Destination”とは

 木村拓哉主演ドラマ『未来への10カウント』(テレビ朝日系)はいよいよ最終章へ突入した。

 5月26日に放送された第7話を見終えて、確信したことがある。本作は主人公である桐沢祥吾が過去を乗り越えて再び人生のリングに上がるドラマであるのと同時に、桐沢を演じている木村拓哉という国民的スターが次のステージへ進むための物語なのだと。

“プレーヤー”から“コーチ”へ、木村拓哉のNext Destination

 ピアニスト、美容師、検事、パイロット、アイスホッケー選手、レーサー、総理大臣……。連ドラ初主演となった『ロングバケーション』(フジテレビ系)以降、木村拓哉はさまざまな職業をPlayし、多くの若者の憧れを体現してきた。

 20年以上にわたり時代の最前線を走り、プレーヤーであり続けてきた木村が、本作で挑んでいるのはボクシング部のコーチ。2020年に放送された『教場』(フジテレビ系)、21年の『教場II』(フジテレビ系)での警察学校の教官役に続いての“育てる”役となる。これは偶然ではなく、『教場』で切り開いた新境地をさらに深めたいという木村の意志が少なからず反映されていると考えてよいだろう。

 この推測を裏付けるように、本作が木村との3度目のタッグとなる脚本家の福田靖氏も、「これまでは木村さんが“太陽”で、周りの登場人物たちは“月”だったのに、今回は木村さん自ら“月”になりたいと思ってらっしゃっていたことに驚いた」と話している。

 ちなみに、今年1月に発売された木村のオリジナルアルバムのタイトルは「Next Destination(次の目的地)」。今年11月に50歳という節目を迎えるにあたり、俳優としても歌手としても“次”を模索する中で、木村は“次世代を育てる”という役割を一つの目的地として定めているのかもしれない。

 ボクシング関連のサイトによると、タイトルにある「10カウント」は「引退試合の後に餞のために10回鳴らされる10カウントゴング」に由来するようだ。そう考えると、このドラマは脚本家の福田氏から次の目的地への旅立つ木村への激励とも解釈できる。

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