松居大悟らによる新作ロマンポルノのタイトル&公開日決定 キャストに福永朱梨ら

 松居大悟、白石晃士、金子修介によるロマンポルノ50周年記念プロジェクト「ROMAN PORNO NOWW(ロマンポルノ・ナウ)」。各作品の新作タイトル、公開日、主要キャストが発表された。

 日活が1971年に製作を開始した「日活ロマンポルノ」が、2021年11月20日で生誕50周年を迎えた。「ROMAN PORNO NOW」は、その記念に立ち上がった新企画で、松居監督、白石監督、金子監督による新作ロマンポルノ3本を製作する。

 9月16日に公開される第1弾は、山崎ナオコーラの小説『手』を原作に、『ちょっと思い出しただけ』の松居監督が初のロマンポルノ作品として手がけた『手』。おじさんの写真を撮っては、コレクションするのが趣味のさわ子。これまで付き合ってきた男性はいつも年上ばかりなのに、父とはなんだか上手く話せずギクシャクしていた。そんな時、同年代の同僚・森との距離が縮まっていくにつれて、さわ子の心にも徐々に変化が訪れる――。年上男性ばかりと付き合ってきた主人公・さわ子を福永朱梨が演じる。

 9月30日に公開される第2弾は、『貞子vs伽椰子』『不能犯』の白石監督がSM作品に初挑戦する『愛してる!』。ドキュメンタリーの密着取材を受ける地下アイドルのミサは、SMラウンジ“H”のオーナーから、素質を見込まれ女王様としてスカウトされる。困惑するミサだったが、人気女王様・カノンとの出会いで、知らなかった快感に目覚める。そして、アイドルとSMの世界を駆け上がろうと決意をするが……。SMプレイで身も心も抗えないほど知らなかった快感に目覚めていく主人公・ミサ役に川瀬知佐子、ミサをSMの世界に導いていく女王様・カノン役に鳥之海凪紗、ミサのライバルでもあるユメカ役に乙葉あいが抜擢された。SMを通して知られざる自分の本性があらわになり、解放されていくアイドルをポップに描く。

 10月14日に公開される第3弾は、ロマンポルノ作品『宇能鴻一郎の濡れて打つ』で監督デビュー後、平成『ガメラ』シリーズや『デスノート』などを手がけてきた金子監督の『百合の雨音』。過去のトラウマから恋愛に臆病になっている葉月は、憧れの上司・栞に秘かに想いを寄せている。一方、凛とした佇まいの栞もまた、夫との関係に思い悩んでいた。ある大雨の晩、お互いの心の隙間を埋めるかのように身体を寄せ合い一線を越えてしまうふたりだが……。過去のトラウマから恋愛に臆病になっている主人公・葉月を小宮一葉、憧れの上司・栞を花澄が演じる。ロマンポルノ作品では、『OL百合族19歳』以来、38年ぶりに金子監督が女性同士の恋愛模様を描いた。

 それぞれの作品の監督と主要キャストからはコメントも寄せられている。

コメント

松居大悟(『手』監督)

敬愛する相米慎二監督などが手がけた邦画の歴史あるレーベルに参加できること、光栄に思います。「今までとは違う、新しいロマンポルノを作りたい」という結城未来プロデューサーの熱意と、繊細に紡がれた山崎ナオコーラ先生の原作に胸を打たれ、シンプルにいいチームでいい作品を作ろう、と心掛けました。オーディションで出会った福永朱梨さんの佇まいがとにかく素晴らしく、福永さん演じる“さわ子”の感性を追いかけながら連れていってもらいました。誤解を恐れずにいうと、これは、福永朱梨の映画なのでは、と思ってます。楽しみにしてくれたら嬉しいです!

福永朱梨(『手』主人公・さわ子役)

「手」に出会った時、他人事とは思えない繋がりを感じました。
俳優と一緒にとことん悩んでくれる松居監督と
心強い先輩方の胸をお借りし思いっきり飛び込ませて頂きました。
私にとって、宝物のような作品です。
ご覧いただいた方にも、大切な一本になればと願っています。
年齢も性別も関係なく、沢山の方にこの映画に出会って欲しいです。

白石晃士(『愛してる!』監督)

私のロマンポルノは、未来を見ている映画です。オーディションで出会った川瀬知佐子さん、鳥之海凪紗さん、乙葉あいさんの3人が、それぞれの人生の未来に向けて、大切なものをさらけ出して全力で演技してくれたことに感謝し、この映画を3人に捧げます。ロマンという言葉にある希望のニュアンスに沿い、歴代ロマンポルノ幸福度ナンバーワンを目指してこの映画を作りました。どうぞお楽しみに。

川瀬知佐子(『愛してる!』主人公・ミサ役)

記念すべき日活ロマンポルノ50周年作品に携われたことを誇りに思います! 私自身と、演じたミサという役は共に不器用な人間ですが、その不器用な奴が発する、特別な熱量をこの作品に込められたんじゃないかなと勝手に思っています。この作品を通してミサと出会えてよかったです。劇場で是非お会いしましょう!

鳥之海凪紗(『愛してる!』カノン役)

役作りが難しいキャラクターでしたが監督やスタッフさんと
話し合ったり、監修の方にたくさんアドバイスをもらって
挑みました。同年代のキャストさんたちと一緒に撮影出来て
楽しかったです。皆の思いが詰まった素敵な青春映画に仕上がったと思います。

乙葉あい(『愛してる!』ユメカ役)

オーディションから撮影までの間、不安で押し潰されそうになりながらも、なんとか周りの方々に支えられて撮り切ることができました。
私にとって、初めての挑戦が詰まった作品です。
とても貴重な経験をさせて頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
たくさんのお客様に届けて、スクリーンで楽しんでもらいたいです。

金子修介(『百合の雨音』監督)

33年ぶりのロマンポルノで考えたのは「愛の行為で女性は如何に輝くのか?」という観点で、美しくも切ない愛する時の姿を「心の解放」として撮りたかった。小宮一葉さんは自分自身に驚きながらもデリケートに、花澄さんは全てを思い切りさらけだしてスリリングに演じた。大人の女性同士の熟したエロティシズムを描く親密シーンでは、インティマシーコーディネーターを交えて演技環境を整え、歓び華開いた女優さんたちに感謝感激!

小宮一葉(『百合の雨音』主人公・葉月役)

1人の俳優として、そして女性として、この作品を広く観ていただける女性の映画にしたいと思い、金子監督の胸をお借りして、その為に力を尽くさせて頂きました。演じている最中は役として悲しみや辛さの中にも居ましたが、出来上がった作品は、温かみやおかしみのある、金子監督らしい人間讃歌になっていると感じました。

花澄(『百合の雨音』栞役)

この令和に生きていて、ロマンポルノという舟が自分の前に現れるとは想像もしていませんでした。心技体、今のわたしが持っているものは全てこの作品に込めたつもりです。金子監督をはじめ、すべてのステキな巡り合わせに感謝し、この作品が、消費とは別の、新しい女性の姿として受け入れられることを願っています。

■公開情報
『手』
9月16日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:松居大悟
原作:山崎ナオコーラ『手』(『お父さん大好き』文春文庫)
出演:福永朱梨
配給:日活

『愛してる!』
9月30日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:白石晃士
出演:川瀬知佐子、鳥之海凪紗、乙葉あい
配給:日活

『百合の雨音』
10月14日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:金子修介
出演:小宮一葉、花澄
配給:日活

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