『峠 最後のサムライ』場面写真公開 役所広司の熱い眼差しや松たか子に寄り添う姿も

 6月17日に公開される役所広司主演映画『峠 最後のサムライ』の場面写真が公開された。

 コロナ禍の影響により、計3回、およそ2年半にわたる延期を繰り返した本作は、司馬遼太郎の小説『峠』を役所主演で映画化した歴史対策。原作の『峠』は、司馬が幕末の風雲児と呼ばれた越後長岡藩家老・河井継之助を描いた作品で、1966年~68年まで『毎日新聞』にて連載、現在までに多数重版され、ベストセラーとなっている。なお、『峠』の映像化は本作が初となる。

 監督・脚本を務めたのは、黒澤明の助監督として数々の作品に携わり、初監督作品『雨あがる』のほか、『博士の愛した数式』『蜩ノ記』などを送り出してきた小泉堯史。共演には、松たか子、香川京子、田中泯、永山絢斗、芳根京子、坂東龍汰、榎木孝明、渡辺大、東出昌大、佐々木蔵之介、井川比佐志、山本學、吉岡秀隆、仲代達矢らが名を連ねた。

 一介の藩士でありながら、諸国への遊学を経て培った先見性とグローバルな視野をもとに、領民のための斬新な藩政改革を次々に実行していた主人公・河井継之助。しかし、時流は倒幕へと傾き、サムライとしての使命と庶民を先導するリーダーとしての狭間で葛藤しながらも、継之助はやがて強大な武力を誇る明治新政府軍に立ち向かっていく。

 公開された7枚の場面写真は、役所演じる河井継之助の強い覚悟と熱い眼差しを捉えたもの。継之助が諸藩に先駆けて、いち早く取り入れた当時最新鋭の兵器・ガトリング砲で敵軍に狙いを定める瞬間や、臣下の松蔵(永山絢斗)を従えて、戦火から逃げ惑う町民の間を往く馬上の姿を捉えたカットからは、本作の激動する物語展開を窺い知ることができる。そのほか長きに渡り数々の時代劇で卓越した演技を披露してきた役所らしい、凛とした佇まいと寸分の隙もない和装で藩主・牧野に接見する正座姿、開戦を迫る土佐藩・軍監、岩村精一郎(吉岡秀隆 )に対し、故郷・長岡を守るべく幾度も和平交渉に臨む継之助の背中を捉えたショットや、峠の頂から故郷・長岡を遠く見つめる写真には、苛烈な運命を背負いながらもリーダーとして決して未来を諦めることのなかった継之助の強い想いが描かれる。その一方で、柔和な表情を浮かべながら妻のおすが(松たか子)に寄り添う微笑ましい一幕も切り取られ、敵軍から策士として恐れられた完全無欠のサムライとしてだけではない、家庭人としての一面も写されている。

■公開情報
『峠 最後のサムライ』
6月17日(金)全国公開
監督・脚本:小泉堯史
出演:役所広司、松たか子、香川京子、田中泯、永山絢斗、芳根京子、坂東龍汰、榎木孝明、渡辺大、AKIRA、東出昌大、佐々木蔵之介、井川比佐志、山本學、吉岡秀隆 、仲代達矢
音楽:加古隆
原作:司馬遼太郎
配給:松竹、アスミック・エース
(c)2020『峠 最後のサムライ』製作委員会
公式サイト:touge-movie.com

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