『二十五、二十一』ヒドの幸せをつくるイジン 辞める勇気をみせたスンワンの決断にエールを

 自主退学したスンワンとフェンシングを辞めたイェジの前に現れたのは、扉が閉まった校門。門を登って向こう側に降り立った先に、新しい門出を祝うヒドとユリムが待っていた。明日に向かって投げ出された制服とユニフォームが引っ掛かった木。「これからも壁が立ちはだかるけれど、それでも乗り越えていこう。そこには応援してくれる人たちがいるから」と若者たちへのエールを送っているようだった。

 昨日も今日もヒドへの愛情が爆発していたイジン。ヒドとクジで当てたピンクの筆箱を大切なものだと会社で披露し、相合傘をしたいヒドのために雨が止んでも傘を差し続け、一緒に食べたAコースの思い出ではなく、左腕のあざ、紫色のシュシュ、曲がった名札を付けたヒドを記憶したいイジン......。挙げればキリがない。

 ヒドから多くのものをもらったイジンが望むのは“ヒドの幸せ”。「ヒドには一瞬でも無駄な経験はさせたくない、幸せな経験だけしてほしい」。2人の距離がどんなに近づいても、ヒドからは何かを求めようとはしない。とはいえ、この関係性は永遠には続かない。フルハウスみたいな恋愛ができるとも限らない。 

 犬を説得していたイジンも、今は雨で文字が消えた原稿にも対応できるスポーツ記者となり、フェンシングを諦めろと言われたヒドは「選手は試合にでないと成長をする機会を失う」と語る一人前のスポーツ選手だ。環境は確実に変わっていく。もしかしたら、イジンはヒドの幸せを奪ってしまうのが自分になる恐怖をどこかで感じているのかもしれない。

 2000年を迎え、ヒドは20歳、イジンは24歳になる。新しく変わってみたかったヒドが踏み出した先に、どんな景色が広がっているのだろうか。

■配信情報
『二十五、二十一』
Netflixにて独占配信中(毎週土・日曜に新着エピソード配信)
原作・制作:チョン・ジヒョン、クォン・ドウン
出演:キム・テリ、ナム・ジュヒョク、キム・ジヨン、チェ・ヒョンウク、イ・ジュミョン
写真はtvN公式サイトより

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