『逃亡医F』成田凌の涙の演技がもたらす痛み 真実に向かい、物語が大きく動き始める
廃団地から姿を消した都波(酒向芳)は、長谷川(桐山照史)と接触。都波は、カセットテープのノイズから抽出したデータにあるしかけを施していた。よって、長谷川が持っているのは妙子が残したデータではなく、廃団地から盗んだデータであると簡単に見抜く。長谷川と幹(堺小春)は都波の部屋を捜索するが「DDSη」を完成させるための隠しデータは見つからず、用無しとばかりに都波の部屋に火を放つ。藤木らはどうにか都波を助け出すが、都波は自身の命よりも、藤木に情報を残すことを優先する。
「君たちは人間初の友達候補だったな」
右脳を損傷し、熱風により気管が腫れ、呂律の回らない身体で、今際の際にそうつぶやいた都波。燃えさかる炎のなか、自身の最期を悟り一服した満足げな顔、長谷川を試し、あしらう研究者の顔、そして、こときれるその瞬間。酒向芳の熱演、あまりにも見事であった。
情報を聞き出すために処置の手を止めた、私が殺したと、藤木は自身を責める。廃団地の住人たちのこと、そして都波の死ーー。妙子の死の真相を知りたい、冤罪を晴らしたい、願いはただそれだけなのに、失うものがあまりにも多すぎる。こうなることが分かっていたから、藤木は一人で逃亡しようとしていたのかもしれない。けれど人間は「持ちつもたれつ」でしか生きられない。そして美香子が言ったように、みな自分の意思で行動している。自分の意思で、藤木の力になりたいと思い、行動しただけだ。たとえそれが、藤木を苦しめる結果になったとしても。
■放送情報
『逃亡医F』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:成田凌、森七菜、桐山照史(ジャニーズWEST)、桜庭ななみ、堺小春、古屋呂敏、和田聰宏、酒向芳、前田敦子、安田顕、松岡昌宏
原作:『逃亡医F』(Jコミックテラス刊)(原作:伊月慶悟、作画:佐藤マコト)
脚本:福原充則
演出:佐藤東弥、大谷太郎ほか
音楽:今堀恒雄
チーフプロデューサー:三上絵里子
統轄プロデューサー:荻野哲弘
プロデューサー:藤村直人、本多繁勝
協力プロデューサー:吉川恵美子、阿利極
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/toubouif/
公式Twitter:@touboui_ntv