『ウエスト・サイド・ストーリー』で更新される時代観 映画×ミュージカルの相互作用
リメイクによってもたらされるオリジナリティは、『ウエスト・サイド・ストーリー』にも見受けられるようだ。第1作目の映画化作品『ウエスト・サイド物語』では、プエルトリコ系の登場人物たちを演じたほとんどが白人俳優だったに対し、今回は俳優のルーツを重視するキャスティングが行われた。
また『ウエスト・サイド物語』でアニータ役を務めアカデミー賞助演女優賞を獲得したリタ・モレノが、原作の登場人物ドクにあたるバレンティーナという役で出演するなど、オリジナルとの連続性と変革を示す要素もある。
スピルバーグは「この物語はあの時代だけの産物ではない。あのような時代がまた巡っているし、それにともなう社会の怒りがすさまじい」(※3)と語るが、本作で更新される時代観に期待したい。
参照
1.https://www.dispatch.com/story/entertainment/arts/2020/11/12/performance-shift-screen-adaptations-broadway-shows-popular/6227464002/
2.https://www.nytimes.com/2020/11/04/movies/broadway-movie-adaptations-prom.html
3.https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/steven-spielburg-west-side-story-interview
■公開情報
『ウエスト・サイド・ストーリー』
全国公開中
製作:監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナー
作曲:レナード・バーンスタイン
作詞:スティーヴン・ソンドハイム
振付:ジャスティン・ペック
指揮:グスターボ・ドゥダメル
出演:アンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラー、アリアナ・デボーズ、マイク・ファイスト、デヴィッド・アルヴァレス、リタ・モレノ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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