『鎌倉殿の13人』佐藤浩市、18年ぶりの大河も流石の存在感 小栗旬とのしびれる対峙も
独特の緊張感を漂わせる広常だが、「我らのための坂東をつくる」と言い切った義時が気に入ったのか、義時へは好意的な態度で接しているように見える。よい返事がもらえるまで帰れないという義時に「覚えとけ。そのしつこさが裏目に出ることがある。俺は嫌いじゃねえがな」と言ったり、義時に奥州の砂金を躊躇いなく手渡したり。「ご自分でおっしゃったではないですか。上総介殿が加わってくだされば必ず勝てると」と言う義時の言葉にはニヤリと笑っていた。その笑顔はどことなく嬉しそうにも見える。
義時と話す場面での佐藤の表情には、相手の反応次第で事が動いてしまう緊張感は保ちつつも、若造である義時が何を言うのか、どんな行動をとるのかを素直に楽しんでいる印象がある。広常は去り際、「なかなかの男よのう、源頼朝」と義時に向けて笑いかけた。この笑顔には、頼朝への信頼というより、頼朝の力を信じる義時への信頼が感じられた。実直な義時の訴えに彼は心動かされたのだと改めて感じる。
佐藤の「これで平家も終わったぞ」と堂々たる声色にも痺れるが、SNS上では、藤原秀衡を演じる田中泯の存在感、高貴さに「格好良すぎる」「渋すぎる」といった感嘆の声があがっていた。また笑顔がトレードマークな仁田忠常(高岸宏行)が、僧兵に捕まった政子を助ける際に見せた果敢な顔つきも話題に。毎話、見どころが盛りだくさんだが、第8回はいよいよ「いざ、鎌倉」。勢いを増す頼朝方の物語に期待が高まる。
■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:小栗旬
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK