『鎌倉殿の13人』小栗旬、新垣結衣の涙の名演　宗時の死を受け入れ義時が覚醒へ

　時政から「これからはお前が北条を引っ張っていくんだ」と言われ、一度は「私にはできません」と答えた義時だが、悲しみに打ちのめされながらも兄の思いを引き継ぐと決めた。頼朝と対峙する義時には、海辺で涙を流していた面影はない。「戦はもうやらん」という頼朝に義時は一喝する。

「佐殿がおられなくても我らは戦を続けます。そして必ず平家の一味を坂東から追い出す。私は諦めておりませぬ！」

　瞬きをせず、頼朝を睨みつけるような小栗の目には覚悟があった。義時の訴えはまたも頼朝の心を動かした。そんな義時の、頼朝に「三郎（宗時）のことはすまなかった」と言われた時の表情は忘れられない。「兄は戦うために生まれてきた男です」「どこかに匿われているのかもしれません」と振り向いたその目には涙が溜まっていた。涙を堪えるように微笑む小栗の演技からは、兄がどこかで生きていることを信じたい義時の気持ちが強く感じ取れる。宗時の死は覆らない。だが、兄を慕う義時の思いが北条家の未来を変えていく。

■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00～放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00～放送
主演：小栗旬
脚本：三谷幸喜
制作統括：清水拓哉、尾崎裕和
演出：吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー：長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供＝NHK