みんなと同じになりたいと願う青年の日常が 『ニトラム/ NITRAM』予告編&ポスター公開
3月25日公開のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ主演映画『ニトラム/ NITRAM』の予告編とポスタービジュアル、新場面写真が公開された。
本作は、1996年4月28日、オーストラリアの世界遺産でもある観光地ポート・アーサー流刑場跡で起こった無差別銃乱射事件の犯人の半生を描いたサスペンス。コロンバイン高校銃乱射事件の3年前に起こり、2倍以上の死者数を出した通称「ポートアーサー事件」は、銃規制の必要性を全世界に問いかける先駆けとなり、さらに当時27歳の単独犯の思想的動機が不明瞭であることも拍車をかけ、新たなテロリズムの恐怖に各国が騒然となった歴史的な事件だ。
本作で描かれるのは、事件当日に至るまでの犯人の日常と生活。舞台は、90年代半ばのオーストラリア・タスマニア島。かつて囚人の流刑地だった、観光しか主な産業がない閉塞したコミュニティに暮らす20代半ばの青年が、いかにして同国史上最多の被害者を出した銃乱射事件の犯人となったのか、その不可解な半生が描かれる。
主人公のニトラム(NITRAM)を『スリー・ビルボード』のジョーンズが演じ、カンヌ国際映画祭、シッチェス・カタロニア映画祭などで主演男優賞を受賞した。監督を務めたのは、『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』のジャスティン・カーゼル。
公開された予告編では、みんなと同じになりたいと願う青年の過ごす日常が、客観的に描かれる。“普通”の若者として、息子に人生を謳歌したいもらいたいと思っている母親、将来を案じ、できる限りのケアをしようと務めている父親、芝刈りの訪問営業を通して出会った女性ヘレン、そしてサーフィンが上手なニトラム。両親や周囲の人たちと、花火が大好きでサーフィンに憧れる彼の関係に、やがて不穏な雰囲気が漂い始める。
あわせて公開されたポスタービジュアルには、「僕は、僕以外になりたかった。」というコピーが添えられ、乾いた空気の中に佇む青年の後ろ姿が捉えられている。デザインを担当したのは、雑誌『STUDIO VOICE』や、銀杏BOYZ、cero、VIDEOTAPEMUSICのアルバムジャケットなどで知られるアートディレクターの坂脇慶だ。
■公開情報
『ニトラム/ NITRAM』
3月25日(金)全国公開
出演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ジュディ・デイヴィス、エッシー・デイヴィス、ショーン・キーナンほか
監督:ジャスティン・カーゼル
脚本:ショーン・グラント
配給:セテラ・インターナショナル
2021年/オーストラリア/英語/ヴィスタ/110 分/原題:NITRAM/日本語字幕:金関いな
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