『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』ゲーム要素満載の聖地ツアー的魅力

 さて、先ほどから警察署やスペンサー邸と述べてきたが、何を隠そう本作の物語は原作ゲームにおける『バイオハザード』、そして『バイオハザード2』の物語が融合した形で展開される。全体的な主人公はクレア・レッドフィールドではあるものの、やはり兄のクリスと序盤から別行動になると、クレアが『2』の、クリスが『1』のシナリオを進んでいくようなスタイルで、工夫を感じさせる、何ともうまい形で組み合わさっていた。

 クレア役を演じるカヤ・スコデラリオはイギリスのドラマ『スキンズ』出演時から注目していたが、ハリウッド進出した後は『メイズ・ランナー』シリーズで知名度をあげ、『クロール ー凶暴領域ー』では巨大なワニに足蹴りをかますなどナイスファイトっぷりを見せてくれた。今回も、その強く美しい、戦うヒロインっぷりをクレア役を通して発揮している。しかし、これは日本の漫画実写作品にて度々起こる論争だが、やはりビジュアルを原作キャラ寄りにするか、改変するかという点では、とある人気キャラクターにおける評価が分かれそうだ(必要以上にコメディリリーフな役回りになっている点も含め)。

 そして何より、先述の通り二つの作品の物語を同時進行させているので「上映時間107分では惜しいくらい短すぎる! もっと観させてほしい!」というのが正直な感想でもある。しかし、映画鑑賞後は間違いなくゲームをまたやりたくなるはずだ。私自身も観賞後、今度は日高屋に寄らず、真っ直ぐに家に帰ってWiiを起動し、懐かしきスペンサー邸へと足を踏み入れた。

■公開情報
『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』
全国公開中
脚本・監督:ヨハネス・ロバーツ
出演:カヤ・スコデラリオ、ハナ・ジョン=カーメン、ロビー・アメル、トム・ホッパー、アヴァン・ジョーギア、ドナル・ローグ、ニール・マクドノー
配給:ソニー・ピクチャーズ
原題:Resident Evil: Welcome To Raccoon City
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