吉沢亮、一生の経験となった『青天を衝け』に感謝の言葉 キャスト・スタッフとの絆明かす

 NHK大河ドラマ『青天を衝け』クロージングイベントが12月26日に東京商工会議所 渋沢ホールで行われ、主演の吉沢亮とチーフプロデューサーの黒崎博が登壇した。

(左から)黒崎博、吉沢亮

 本作は、新一万円札の顔としても注目される渋沢栄一を主人公にした大河ドラマ第60作目。幕末から明治へと、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、青天を衝くかのように高い志を持って未来を切り開いた渋沢の姿を描き、12月26日に最終回を迎えた。

 イベント直前に開かれた取材会で吉沢は「寂しい」と最終回前の心境を明かし、「1年半近く撮影しながら、本当に終わるのかと。先が見えない中でやっていたので、今まで積み上げたものが終わるというのは不思議な感覚」と本音を吐露。あえて最終回の映像はまだ観ていないといい、徳川慶喜役の「草なぎ(剛)さんにすごくいいシャンパンをいただいたので、それを飲みながらみなさんと同じタイミングで観ようと思っています」と笑顔を見せた。

 また「撮影が始まった時から8kgくらいは増えたかな」と体型の変化について言及し、「この1カ月ちょっとでだいぶ落としまして、体は軽くなりました」とにっこり。さらに「撮影当初から絶対おもしろい作品になると自信を持っていたし、素晴らしい作品を作っていると自信を持って届けたものが、(視聴者に)喜んでいただけた。すごくいい届き方をしたなと嬉しかったし、安心しました」とファンへの思いを述べた。

 その後、観客の前に登場した吉沢は、本イベントが東京商工会議所で行われていることについて「僕が作ったわけではないですよ」とほほえみつつ、「今の人たちまで意志や思いを繋いできたんだなと思うと、いいですよね」としみじみ。「街を歩いていると栄一さん(が作ったもの)だらけなので、すごいなぁって」と渋沢の功績に目を輝かせた。

 ここで妻・千代役の橋本愛からメッセージ動画が届くと、吉沢は「彼女と一緒にお芝居できていたから、ここまで作り上げられた」と橋本に感謝。撮影中、本物の夫婦のような空気が流れているように見えたという黒崎から「ふたりは撮影してる間、結婚してませんでした?」と問われ、「僕は結婚してるつもりでいました」と即答するほど、固い絆で撮影に挑んだことを明かした。

 また千代との印象に残ったシーンについて、第35回「栄一、もてなす」を挙げた吉沢。これは「ぐるぐるいたします!」(千代)「ぐるぐる?」(栄一)とやり取りをする場面で、吉沢は「ここまで楽しそうなチャーミングなお千代っていうのがこれまでなかったので、すごく楽しかったし、いい奥さんだなぁって思いながら(笑)。栄一自身は焦ってるんですけど、(自分自身は)最後の方は若干ニヤニヤが隠せていない……ぐるぐるぅ? みたいな」と懐かしんだ。

 なおイベントでは、観客が選ぶ「出会いと別れのベスト3」を発表。吉沢自身は、別れのシーン第1位に父・市郎右衛門との場面を選び、「小林薫さんのお芝居がすごすぎて、お芝居をしていて初めて無意識に涙が出てきた」といい、「偉大さと愛情にやられちゃって。悲しさはあるけど、ポジティブな空気が流れた別れだった」と振り返る。

 続いて、観客から出会いのシーン1位に選ばれた徳川慶喜との出会いについて吉沢は「僕も選ぶならこれが1位」と打ち明け、「ここで慶喜さんと出会って、人生をともにしていく関係になっていく。出会い方が、ちょっとファンタジーチックじゃないですか。でも史実っていうところもすごいなと思ったし、純粋にめちゃくちゃ疲れたし、いろんな意味で印象深いですね」と話した。

 このシーンで栄一は馬に乗る慶喜を走って追いかけ続けるが、黒崎は「(栄一の)テーマは“走る”だと思っていた」といい、「“ごめん”とは思ってなかったな。“走れ走れ~”って。自分の中で、それが渋沢さんの象徴なのかなって」とコメント。裸足にわらじで10テイクほど撮影したといい、MCから「いい思い出になった?」と問われた吉沢が「いい思い出にはなってないです」と笑うと、黒崎は「そこはいい思い出にして」と懇願していた。

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