『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に黒澤明監督『七人の侍』からの影響!?

 2022年1月7日に日本公開を迎える『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』。プロデューサーを務めたエイミー・パスカルとケヴィン・ファイギ、監督を務めたジョン・ワッツからコメントが到着した。

 トム・ホランド主演『スパイダーマン』シリーズ最新作となる本作は、全米では公開週末3日間で興行収入2億5300万ドル(約288億円)という驚異的な記録でNo.1となり、全米におけるオープニング興行成績として歴代3位に。さらには、全世界オープニング累計興行収入は早くも5億8720万ドル(約669 億円)を突破し、全世界オープニング興行成績においても歴代3位という映画界の歴史に残る大ヒットスタートを記録している。

 ピーター(トム・ホランド)が自分がスパイダーマンだという記憶を世界から消すために、危険な呪文を唱えたドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)。その結果、このユニバースに、『スパイダーマン』(2002年)に登場したグリーン・ゴブリン(ウィレム・デフォー)、『スパイダーマン2』(2004年)に登場したドック・オク(アルフレッド・モリーナ)、『アメイジング・スパイダーマン2』(2014年)に登場したエレクトロ(ジェイミー・フォックス)といった強敵たちを呼び寄せてしまう。

 本作で制作プロデューサーを務めたエイミー・パスカルは、『スパイダーマン』シリーズに影響を与えた日本の作品を問われると、「『天国と地獄』。それが前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の映画の指針のようなものだった」と、黒澤明監督の後期を代表するサスペンスが影響を与えていたと明かす。息詰まるサスペンスでありながら、その緻密な人間関係や心理描写も秀逸で、いまだなお名作として称えられる『天国と地獄』は、アイアンマンという絶対的な存在を失い、次のリーダーとしての重責に苦しむ高校生のピーターの緻密な心理描写に通じる。さらに、自分の息子と間違えて誘拐された子供のために自分の全財産を投げ出した被害者と、巧妙な作戦で刑事たちすら翻弄する犯人との絶妙な描写は、自分を犠牲にしてでも大切な人たちを守りたいピーターと、あらゆる作戦を駆使して自らヒーローを名乗るミステリオの巧妙な手口など、その影響は随所に感じることができる。

 そして、過去シリーズのヴィランが揃い踏みする本作についても、黒澤監督作品の影響が。パスカルは「アクション・シークエンスのデザインをしているときに、『七人の侍』についてたくさん話した」と明かし、今度はハリウッドでも多くの作品に影響を与えてきた『七人の侍』のタイトルを挙げた。「スタッフが集まったときに、誰もがいつも『七人の侍』の話をする。だから私たちも影響を受けている」と、パスカル含め、製作スタッフ全員が影響を受けているようだ。パスカルと共に本作の制作プロデューサーを務め、マーベルの社長でもあるケヴィン・ファイギは、「エイミーは僕が今まで見たことがないクロサワ映画について教えてくれた」と明かしており、前作に続いて本作でも日本映画界の巨匠・黒澤明監督の影響が随所に感じられそうだ。

 そして、過去シリーズのヴィラン登場について監督のジョン・ワッツは「『ユージュアル・サスペクツ』や『レザボア・ドッグス』のように、ヴィランたちを集めて、彼らがお互いに会って話をするのを見るのが好きなんだ。必ずしも毎回アクションシーンである必要はなく、サンドマンとエレクトロがどうやって今に至ったかを話し合っているというアイデアが好きだ。そういうのを、あまり見たことがないからね」と悪党が主役となる名作たちにインスパイアされたことを明かしている。また、グリーン・ゴブリンを演じるデフォー、ドック・オクを演じるモリーナらハリウッド俳優たちが、十数年ぶりのカムバックの理由を「ストーリーが素晴らしかった!」と口を揃えて絶賛する。

 ついにマルチバースの扉が開いたことにより“彼らの存在がこのユニバースを危うくする“として、ストレンジがヴィランたちを元のユニバースに戻すべくピーター(トム・ホランド)、彼女のMJ(ゼンデイヤ)、親友のネッド(ジェイコブ・バトロン)の3人に危険を訴えるが、その後さらなる混乱が引き起こされようとするさまが描かれる。複数のユニバースを同時に生き始めたピーターの「僕の責任だ。全員は救えない」という台詞の果てに、彼が下す選択とは。

■公開情報
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
2022年1月7日(金)全国ロードショー
監督:ジョン・ワッツ
脚本:クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ
製作:ケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカル
出演:トム・ホランド、ゼンデイヤ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジョン・ファヴロー、ジェイコブ・バタロン、マリサ・トメイ、アルフレッド・モリーナ、ウィレム・デフォー、ジェイミー・フォックス
日本語吹替版声優:榎木淳弥(スパイダーマン/ピーター・パーカー)、銀河万丈(ドック・オク/オットー・オクタビアス)、山路和弘(グリーン・ゴブリン/ノーマン・オズボーン)、中村獅童(エレクトロ/マックス・ディロン)、三上哲(ドクター・ストレンジ)、真壁かずみ(MJ)、ネッド(吉田ウーロン太)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
原題:Spider-Man: No Way Home
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