『じゃない方の彼女』逃げ場がない展開に

濱田岳、画面越しにも伝わる絶妙なぎこちなさ 『じゃない方の彼女』逃げ場がない展開に

 地獄の業火に焼かれるバーベキューに引き続き、妻・麗(小西真奈美)と天然魔性系女子大生・怜子(山下美月)が危うく鉢合わせするところだった『じゃない方の彼女』(テレビ東京系)第9話。

 入試問題の差し替え作業のために片桐(山崎樹範)と旅館に籠ることになった大学の准教授・雅也(濱田岳)の元を、怜子が訪れる。あの地獄のバーベキューを経て、むしろ「やりたいことをやろう、自分に正直に生きる」と決意と覚悟を新たにした怜子だが、その決心を持ってしても時に揺らいでしまう自分の気持ちを雅也にぶつける。

 あまりに辛いこと、苦しいことを全て怜子に言わせている雅也は本当にダメダメだ。まずい展開になれば、呼び名を“野々山さん”と名字呼びに戻し、受け入れることも拒否することもしない。挙げ句、雅也が泣き出し「バーベキュー楽しかったですね」と無理して言った怜子に今度は「本当に楽しかったですか? バーベキュー」と言い直させてしまうほどのナンセンスぶり……。あの旅館で対峙した2人の時間の埒の明かなさ、とんでもなく時間がゆっくり流れるぎこちなさが画面越しにも伝わってくるかのようだった。

 雅也はまさにどっちつかずの自分が誰も幸せに、大切にできていない事実に打ちひしがれているのだろうか。

 しかし、彼ら2人を毎回近づける恵の“雨”が降り注ぐ。そういえば第3話で、彼らが初めてキスをしたのも雨の中だった。あの時も何とか怜子の気持ちを振り切り、取り合おうとしない雅也に彼女は真っ向勝負で臨んでいた。“からかうのはやめてくれ”と言う雅也に怜子は体当たりだった。

「先生のことが好きだから、嫌です。先生は今まで出会ったどの男性より素敵です」
「嘘じゃない。そんなに信じられないですか? 私のこと。誰が何と言おうとこれが私の本心です」と。

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