『ルパン三世』はなぜ愛され続けるのか シリーズ50年の歩みを振り返る
アニメ40周年記念として、深夜枠で『LUPIN the Third -峰不二子という女-』(2012年)が放送されて以降、ルパンワールドの各キャラクター単体にスポットをあてたスピンオフの劇場用作品『LUPIN THE IIIRD』シリーズが続けて制作され、テレビシリーズ復活の兆しを見せる。
やがてイタリアが舞台のテレビアニメ第4シリーズ(以後『PART4』)の制作が発表された。ルパン三世が着用するジャケットの色は、『PART2』以来親しまれた赤から青に変更。ルパンの花嫁レベッカ・ロッセリーニを新たなレギュラーに加え、イギリスの秘密情報部MI6のエージェント ニクスや、現代に蘇ったレオナルド・ダ・ヴィンチとの戦いを縦糸として、娯楽色たっぷりの華やかなシリーズとなっている。『PART4』終了から2年後の2018年、メインスタッフはほぼ同じまま、設定は前作から地続きの第5作『ルパン三世 PART5』(以後『PART5』)が始まった。アナログな存在である泥棒のルパン一味がフランスの地で、インターネット、SNS、ドローンなど現代のハイテクノロジーと対峙する。時代と共にアップデートを続ける『ルパン三世』そのものを象徴するような意欲的な作品で、これまでのテレビシリーズ『PART1』~『PART4』、さらに劇場用作品など総てのルパン三世を内包、肯定して見事なフィナーレへとなだれ込む。ルパンと不二子の付かず離れずの曖昧な関係にも大胆に踏み込むエピソードが用意され、こんなものを見せられたら『ルパン三世』はこのまま完結してしまうのではないか? と思わせるような挑戦がいくつも試みられた。金曜ロードショーの人気投票エピソードの放送には、『PART5』最終話「ルパン三世は永遠に」も選ばれたが、ファンならば納得のチョイスだろう。
アニメ『ルパン三世』は、その時代ごとの世相、風俗、文化、音楽などの流行を取り入れ、絶えず新しい血を入れながら50年も続いてきたシリーズだ。古くからシリーズを観ている個々のファンには、あのシリーズは最高だけど、こっちのシリーズは好きじゃないなど一家言ある人もいるだろうが、ファンの間で活発な意見交換ができるのも長寿シリーズものの利点だろう。完成度の高かった『PART5』の後を受けて始まった『ルパン三世 PART6』は、イギリスのロンドンを舞台に名探偵シャーロック・ホームズとルパンの因縁の戦いを描くミステリー物だという。新キャラクターがどのような活躍を見せてくれるのか、ルパンたちはどんな風にそれに絡むのか。半世紀を迎えてなお、新たなチャレンジを続ける『ルパン三世』。フレッシュな脚本家陣の手腕と合わせて見届けたい。
■放送情報
『みんなが選んだルパン三世(1)TVシリーズセレクション』
日本テレビ系にて、10月15日(金)21:00〜放送
原作:モンキー・パンチ
(c) TMS
(c) TMS・NTV
公式サイト:https://kinro.ntv.co.jp
『ルパン三世 PART6』
日本テレビ系にて、毎週土曜日24:55〜放送中
※各局の放送日時は公式サイトにて
Huluほか配信サイトで配信
原作:モンキー・パンチ
(c)TMS・NTV
公式サイト:https://lupin-pt6.com/
公式Twitter:https://twitter.com/lupin_anime