『おかえりモネ』亮を放っておけない百音 菅波先生との関係に波紋も?

 百音を責めるでもなく、フォローする菅波には好感が持てる。でも、あえてうがった見方をすれば、百音と菅波は仕事のパートナー以上の関係にならないのではと考えてしまうのだ。どんなに忙しくても自分のことを気にしてくれというのは論外として、頭の片隅でいいから忘れずにいてほしいと願うことは、決してわがままではない(異論は認めます)。しかし、百音にそういう恋人としてのエゴは感じられない。事実、亮のことで振り回されている間、百音は菅波との約束がすっかり頭から抜け落ちていた。菅波の方もそんな百音を自然に受け入れているが、怒るそぶりさえないのはどういうことか。「自分は忘れられてもかまわない」と言いたげなセリフももやっとする要因である。この先の2人の関係に波紋を広げそうな内容だった。

 仮設住宅での新次と耕治(内野聖陽)、亜哉子(鈴木京香)の会話が沁みた。「亮のことも考えてやれよ」と耕治はつぶやく。亜哉子は「親の私たちが本気で明るい顔になってからじゃないと、たぶんだめなのよ」と続け、「何か楽しい話しない?」と提案。ありあわせの食事を囲んで、美波の思い出話に花を咲かせた。故人を知る3人でそっと喪に服し、死を悼む様子には、思わずこみ上げるものがあった。

 楽しかった日々は、何十年後かの未来でもまるで昨日のことのように脳裏によみがえる。今まさに渦中にいる百音たちはそのことを知る由もない。汐見湯に戻ってきた亮は帰ろうとする未知と鉢合わせする。またもや微妙な雰囲気になりかけたところで、三生(前田航基)と悠人(高田彪我)が登場。仙台から高速バスですっ飛んできたのだ。本当に来たのかという驚きとともに、重苦しい展開が続いた中で、正直ほっとしたのも事実。いくつになっても立ち帰ることのできる関係性は貴重だ。

※高田彪我の「高」はハシゴダカが正式表記。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

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