“完璧”なタイミングでの公開? 笑うに笑えない『パンケーキを毒見する』
もちろん、この映画のすべてが真実だとは言いません。ドキュメンタリーと言っても、映っているものすべてが“リアル”なわけではなく、作り手たちの編集という明確な意図が存在し、観客に見せたいものを見せる構成になっているからです。それでも、「報道の自由度ランキング世界67位」の現在の日本において、テレビ・新聞などで知ることのなかった情報を、本作で知ることができる部分は間違いなくあると思います。
7月28日に行われた本作の外国特派員協会記者会見にて、企画・製作・エグゼクティブプロデューサーの河村光庸氏は、「この映画で選挙に影響を与えたい、それが私の願いです」とコメントしていました。「政治なんて所詮他人事」「自分の一票なんて影響ない」。そう思っていた方も多かったと思いますが、幸か不幸か、コロナ禍によって誰もが政治と密接に関わっていることを実感することになったと思います。最終的に選挙に行かない、という選択肢を取るにせよ、本作を観た後は政治との向き合い方に変化が起きるのではないでしょうか。
現在の日本政府の働きをポジティブに捉えている方もネガティブに捉えている方も、東京オリンピックと新型コロナウイルスで揺れる今の時期だからこそ、観てほしい一作です。
■公開情報
『パンケーキを毒見する』
新宿ピカデリーほか全国順次公開中
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
監督:内山雄人
ナレーター:古舘寛治
制作:テレビマンユニオン
配給:スターサンズ
配給協力:KADOKAWA
2021年/日本映画カラー/ビスタ/ステレオ
(c)2021『パンケーキを毒見する』製作委員会
公式サイト:https://www.pancake-movie.com