『推しの王子様』比嘉愛未の堂々演技に感じる気概 “お仕事ドラマ”としての面白さも
保険会社に勤務し、退屈な日々を送っていたが、乙女ゲームに“どハマり”してゲーム会社に転職、さらには自らベンチャー企業「ペガサス・インク」を起業した『推しの王子様』(フジテレビ系)の主人公・泉美(比嘉愛未)。ある日、大ヒットした「ラブ・マイ・ペガサス」の主人公で、自身の理想通りに作った推しキャラ、ケント様に外見だけはそっくりな航(渡邊圭祐)に出会う。ゲームのキャラとは正反対の常識知らずでがさつ、さらには無神経な航を「最高の王子様」に育てるべく、泉美は悪戦苦闘。これまでは、泉美と航の関係や航の成長が描かれてきた本作だったが、第3話では、一気に「お仕事ドラマ」へ変貌を遂げた。
泉美は「ラブ・マイ・ペガサス」に続く、次回作を制作しようと開発資金集めに奔走していた。最近、エンタメ事業に進出した大手アウトドアメーカー「ランタン・ホールディングス」からは一度、出資を断られてしまうが、泉美は社長の水嶋(船越英一郎)に直接、乙女ゲームへの愛、推しへの愛を熱く語り、再プレゼンの機会を得ていた。しかし、企画書を持って、「ランタン・ホールディングス」を訪れた泉美と光井(ディーン・フジオカ)に対応したのは水嶋ではなく、メディア事業部の小島(竹森千人)。しかも1週間足らずで「企画のブラッシュアップ」ということで企画書の再提出をお願いされてしまう。
スタッフたちは総力を結集し、なんとか資料を作成する。泉美はそれを「ランタン・ホールディングス」へ届けるが、次は第一営業部部長の野島(永山たかし)が対応し、別の要望が出される。それにもなんとか対応しようとする泉美たちに、直前になって小島からキャラを追加するよう要望が……。
「ランタン・ホールディングス」からの出資を得て、次回作に繋げようとする泉美はキャラ追加を含む、これらの要望を取り込もうとするが、社員のひとりである芽衣(徳永えり)から「私、泉美さんがキャラクターを誰よりも愛していると思ったからついてきたんです。社長からそんな言葉、聞きたくなかったです」と言われてしまう。社長としてスタッフたちを守ろうと考えてきた泉美は、逆に彼らを苦しめてしまっている状況に頭を悩ませる。
一方、航は、泉美が「本を読むことでその作者の考えに触れることになる。自分が知らなかった考えを知ることができる」と言っていたことを思い出し、泉美へ水嶋の著書を手渡す。「マーカーは俺が大切だと思ったところだから」という航に、泉美が本を開いてみるとそこにはところどころにたどたどしくマーカーが。この航の行動がきっかけで、泉美は自身の信念を取り戻し、ブレてしまっていたことをスタッフたちに謝罪。「自分たちが純粋におもしろいと思えるゲーム」で、水嶋を目の前にした最終プレゼンに臨んだ。