『恋はDeepに』綾野剛から石原さとみへの一世一代の告白 ラストの急展開に祈るのみ

「誰よりも海を愛し、命のかけがえのなさを信じてるから、生きるもの全てに優しさが溢れている。俺はそんな渚海音が、地上で一番大好きだ!」

 ツンデレ御曹司・蓮田倫太郎(綾野剛)から海洋学者・渚海音(石原さとみ)への一世一代の告白が聞かれた『恋はDeepに』(日本テレビ系)第8話。

 海音の不調ともう間もなく海に帰らなければならない時期が近づいていることを察した鴨居教授(橋本じゅん)は、倫太郎に“あの子にこれ以上関わらないでほしい”と懇願する。“あなたが側にいるとあの子は無理をしてしまう。そうなると次は命が危ない”からと。

 倫太郎と鴨居教授が海音を想う余り、彼ら2人が引き離されてしまう時間はあまりに辛い。そんな間にも、「海中展望タワー」のパノラマ模型の付箋を通して交わされる彼らのやりとりが素敵だ。もはや「海中展望タワー」が亡き母親との約束だけでなく、倫太郎にとって海音とのこれまでの歩みが詰まった象徴になっているところに、ここまで2人が積み上げてきた時間、衝突、歩み寄り、全てに想いを馳せてしまう。それなのに蓮田トラストの筆頭株主となった香港の会社は、星ヶ浜にマリンリゾートでも海中展望タワーでもなく、カジノを作ろうと言い出し、三男・榮太郎(渡邊圭祐)を困惑させる。

 冒頭の壮大な告白は、鴨居教授が海音の経歴について説明を求められ招集された教授会で、彼女の正体に迫る質問がされた際、倫太郎が見事なタイミングで現れ言い放つのだ。

 前話にて、テレビ番組の生放送時にコメンテーターより経歴詐称について責め立てられた海音を倫太郎が連れ去ってくれたように。あの時倫太郎が言った「帰ろう」と、今回の「帰ろうか。海に、帰ろう」は全く違った。海音が海に帰ってしまうということはつまり何かミラクルでも起きない限り、もう一生倫太郎と会えなくなるということを意味する訳だが、それでも彼女の身を案じる気持ちが勝ってのことなのだろうか。あるいは、何か奇跡が起きるのではないかと、自分が海音に誓った「どんな事情を抱えていようとも海音も星ヶ浜の海も守る」を果たそうと思っているのだろうか。

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