『恋はDeepに』石原さとみ×綾野剛の愛は確かなものに 今田美桜×渡邊圭祐の恋路にも注目

 三男・榮太郎(渡邊圭祐)も「あんなにいがみ合うなら星ヶ浜リゾートなんてなくなればいいのに……」とこぼしていたが、どうやら鴨居研究室の椎木(水澤紳吾)らと画策し、蓮田トラストの株式を買い占める暴挙に出たようだ。その打ち合わせのオンライン会議の画面は5分割されていたが、残り3人の協力者が一体誰なのかも気になるところだ。

 そんな榮太郎と付き合い始め、彼の“隠し事”にいち早く気付いていたのが今田美桜演じる藍花だ。今田はまさに“等身大”という言葉がしっくりくる真っ直ぐな演技が魅力的で、どの作品でも歯に衣着せぬ物言いの、それでいて許されてしまうような裏表のない役どころが特にここ最近は続いているように思う。本作でも年下だがちゃっかりしつつも、どこか達観している節もあるような勘の良い後輩役を好演している。適度なゆるさと、それでいながらガッツも上手く共存して見せられる彼女が演じる女性像は非常にリアルで、親近感を抱きやすい。連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)への出演も決定しており、今後控えている出番が楽しみだ。

 「星ヶ浜の海も、どんな事情を抱えてようが海音も絶対に守るから」と宣言した倫太郎は、人間の姿形でいられるタイムリミットが近づく海音との時間をどう過ごし、その中で彼自身もどうやって自分を取り戻していくのか。ラストに海音が相棒のウツボの言葉が聞こえなくなる現象が描かれていたが、これは何の予兆を意味するのか。海音が“ここにいたい”と“人間のままでいたい”と願ってしまったからなのだろうか。次回予告では「人魚姫」を思わす掛け軸のようなものが出てきて、ますます海音の正体が明かされていくようだ。

 磁石のS極とN極のように近づこうとすればするほどどうしたって反発し合ってしまう、くっつくことができない宿命を背負った2人が、それでも手と手を取り合おうとしたときにどんな未来が待ち受けているのか。倫太郎の表情が和らげば和らぐほど、海音がこの世界に居場所を見つければ見つけるほど、どちらかが欠けてしまうような未来予想図はどうしたって辛いのだ。

■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
4月期水曜ドラマ『恋はDeepに』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:石原さとみ、綾野剛、今田美桜、大谷亮平、渡邊圭祐、橋本じゅん、藤森慎吾(オリエンタルラジオ)
脚本:徳尾浩司
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:枝見洋子、畠山直人、鈴木香織(AX-ON)、山口雅俊(ヒント)
演出:鈴木勇馬、岩本仁志、伊藤彰記
主題歌:back number「怪盗」(ユニバーサル シグマ)
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/deep/
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