水谷豊監督第3作『太陽とボレロ』製作決定 指揮者・西本智実が自身初となる映画音楽監督に

 水谷豊の監督第3作『太陽とボレロ』の製作が決定した。

 初監督作となる『TAP‐THE LAST SHOW‐』で、夢みる若者の青春群像とショービジネスの光と影を、脚本も手がけた監督第2作『轢き逃げ 最高の最悪な日』では、不幸な事故があらわにする人間の心の奥底を描いた水谷。監督3作目となる本作では、オーケストラを舞台にした人間ドラマを“洒脱なエンターテインメント作品”として紡ぎ出す。

 また、世界的指揮者の西本智実が自身初となる映画音楽監督を担当。さらに、イルミナートフィルハーモニーオーケストラが演奏で参加する。

 ある地方都市の市民交響楽団を舞台に、「音楽を愛する人々」と「音楽の素晴らしさ」を描く本作。脚本制作の段階から、本物のオーケストラの魅力を映画に取り込みたいと水谷監督は構想していた。西本は、バチカン国際音楽祭に2013年以来毎年招聘されるなど自身が創設した“イルミナートフィルハーモニーオーケストラ”での音楽活動や、2007年にダボス会議を主催する世界経済フォーラム「2030年イニシアティブ」に取り組むヤンググローバルリーダーへの選出をはじめ、ダボス会議、ハーバード大学ケネディスクールへの奨学金研修、ホワイトハウスから二度の招待など、グローバルで多様な活動を行いながら、昨年は慶應義塾大学SFC研究所上席所員に就任し、国内おいても書籍出版やメディア出演、行政と組んでのプロジェクトなどを通して音楽の魅力を幅広い年代の人々に届ける文化活動にも精力的に取り組んでいた。

 お互いがそれぞれの活動と作品をリスペクトしていたという水谷と西本。水谷監督が西本のコンサートに訪れたことから出会い、クラシックの世界について話を交わすうちに、水谷監督が、作中で奏でられる「ボレロ」の指揮演奏をオファー。作品のテーマと監督の思いに共鳴した西本は快諾し、自身初となる映画音楽監督をも引き受けることとなった。

 同時にイルミナートフィルハーモニーオーケストラが演奏に参加することも決定。水谷は「運命のように出会えて、お仕事をご一緒できることに、今、とても嬉しく興奮しています」と語り、西本も「このようなリクエストをいただき、人生には思いがけない不思議なご縁というものがあるんだなとつくづく思います。水谷さんの世界に耳を澄ませていきたいと思います」と語っている。

 なお、本作の撮影は5月から6月にかけて、事前のPCR検査の徹底など、現場内での新型コロナウイルス感染症対策に万全を期して、長野ロケ、都内ロケで行われる。公開は2022年の予定だ。

コメント

水谷豊

西本さんと出会ったことにより、より深いクラシックの世界の人間ドラマを描くことができたと思います。そして、話をしていく中で、映画音楽の指揮演奏に加え、なんと音楽監督も引き受けて頂けることになりました。運命のように出会えて、お仕事をご一緒できることに、今、とても嬉しく興奮しています。ヨーロッパなど多くの国々ではクラシックを生活の一部のように楽しんでいます。この映画も西本さんとともに「クラシックを楽しめる映画」にしたいと思っています。

西本智実

西本智実(写真:塩澤秀樹)

「熱中時代」の北野広大先生は、実際私自身の人生に影響を与えて下さった先生でもありました。このようなリクエストをいただき、人生には思いがけない不思議なご縁というものがあるんだなとつくづく思います。劇中の楽曲は、映画のタイトルである『太陽とボレロ』から、同じリズムで貫く強い繋がりをラヴェル作曲「ボレロ」で、その他は背景のディテールと共通する楽曲を幾つか提案し、話し合いの中、クラシック作品を選曲しました。これから作曲していく音楽もありますので、水谷さんの世界に耳を澄ませていきたいと思います。

■公開情報
『太陽とボレロ』
2022年全国公開
監督:水谷豊
音楽監督:西本智実
演奏:イルミナートフィルハーモニーオーケストラ
配給:東映
メイン写真:三宅英文『轢き逃げ』より

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