板尾創路が魅せる喜劇王のシュールな佇まい 『おちょやん』千之助との対峙に期待

 『おちょやん』(NHK総合)第13週目「兄弟喧嘩」では、世界の喜劇王チャップリンの来日に際して、どうやら“鶴亀家庭劇の千之助(星田英利)vs万太郎一座の喜劇王・須賀廼家万太郎(板尾創路)”の構図が描かれるようだ。

 板尾は本作が連ドラ出演4作品目。『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)などバラエティー番組で注目を集めた芸人ながら、出演したドラマや映画の作品数は数知れず、映画監督・脚本も手がけてしまう“鬼才”である。

 連ドラ作品『まれ』(NHK総合)で演じた主人公の舅で市役所勤めの真面目一辺倒の堅物・紺谷博之役とは対極の存在を、本作での喜劇王では魅せてくれている。成田凌演じる一平の圧巻の襲名&結婚報告が話題をかっさらった先週の放送時も、一瞬映り込んだ須賀廼家万太郎が舞台袖でゆで卵を口に放り込む姿がSNSを湧かせた。「只者ではない感」「常人離れしたオーラ」を漂わせる喜劇王を演じながら、同時期に放送されている第2シーズン突入の『監察医 朝顔』(フジテレビ系)ではベテラン法医学者の藤堂雅史役を務め、現在上映中の映画『ファーストラヴ』では殺人容疑がかけられた主人公の女子大生の父親役を演じている。

 板尾を唯一無二たらしめているのは、あの何食わぬ顔して、通常運転を装いながらどこかにさりげなく「違和感」を散りばめ、予定調和でないことをさらりとやってのけてしまえるところだろう。さらには、それが本人が意図してやっているのかどうなのか全く読めない、そんなことを意識させないところに板尾の底知れなさと凄みがあるのだ。