『監察医 朝顔』が描き続ける生きることの尊さ 法医学と通ずるエンバーミングの意義

 上野樹里が主演を務める『監察医 朝顔』シーズン2(フジテレビ系)が、2月8日に第13話を迎えた。

 シーズン2からの新キャストとして第4話より登場していたものの、ずっと謎に包まれていた若林(大谷亮平)。その正体はエンバーマーだった。エンバーマーとは、遺体にアルコールやホルマリン液で防腐処置をして生前に近い姿に戻す技術者のこと。

 最後まで自分らしくあるためのお手伝いをしてあげる、残された者が心残りのない別れができるようなサポートを。それが、エンバーマーとしてアメリカで活躍をしていた若林が、まだエンバーミングがポピュラーではない日本で「株式会社 グリーフケアアンドサポート」を設立した理由。“グリーフ”とは、大切な存在を失った方が抱える深い悲しみを指す。茶子(山口智子)は若林の考えに賛同し、そのアシスタントとして新たなスタートを切ったというわけだ。

 薬物のオーバードーズで亡くなった紗英(依田ゆい)は、母親の翠(黒沢あすか)が涙すら出ないほど変わり果てた姿となっていた。エンバーミングは変色を改善させたり、死後変化をさせないことで遺族が生前に近い故人とお別れができる。愛菜(矢作穂香)の協力もあり、生前に彼女が好きだったメイク、スタイリング、そして額の傷は父親との自慢の思い出だったという知られざる心情を両親が知ることになる。エンバーミングとは、亡くなった本人を施術しながら、残された遺族の悲しみに寄り添うものだ。それは遺体の“生きた証”から、最後に伝えたかった思いを明らかにし、遺族の悲しみを癒す法医学者とも通ずるものがある。朝顔(上野樹里)や茶子と同じように、思いやりを持って遺体に接していた若林。今後も、茶子と2人で法医学教室を訪ねて来る展開に期待したい。

「私たちは日々生きてるから、何かいろんなことで落ち込んだり、嫌な気分になったりすることもあるけどさ。生きてるって、本当はそれだけですごいことなんだよね。みんな誰かのおかげで生かされてるんだよね」

 朝顔が電話越しに平(時任三郎)に伝えたこの言葉は、エンバーミングの意義、そして自分を支えてくれている桑原(風間俊介)の優しさを受けてのものだ。