『青のSP』スクールポリスはマタハラにどう立ち向かったか? 藤原竜也を突き動かすもの

 スクールポリスには限界がある。起きてしまった犯罪を取り締まるか、事前に抑止するかしかできず、その点でやはり教師が大事になってくる。隆平(藤原竜也)もそのことをわかっていて、だから涼子(真木よう子)にも突き放すようなことを言ったのだ。「誰にとがめられようと楽な道を選べばいい。あなたの自由だ。そしてこの生きにくい世の中を教え子たちに引き継げばいい」と。もちろん隆平は、涼子がそんなことをするはずはないと知っている。

 学校のもう一方の主役が生徒であることも伝えていた。大林優也(荒木飛羽)に対する隆平の微笑は、楓を守ろうとした優也を無言で肯定しているようだった。優也役の荒木飛羽は『あなたの番です』(日本テレビ系)でサイコパス気質の少年を演じて強烈な印象を残したが、今回は正義感が先走ってしまうこの年代の心身の揺らぎを体全体で表現していた。

 スクールポリスが活躍する学校はいびつで問題を抱えている。スクールポリスは全ての問題を解決するわけではないし、そもそもできない。そのことを承知の上で必要以上に関わろうとする隆平は何に突き動かされているのだろうか? 青い制服のSPにがぜん興味が湧いてきた。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:藤原竜也、真木よう子、山田裕貴、泉澤祐希、たくませいこ、渋谷謙人、智順、兒玉宣勝、金沢雅美、音尾琢真、石井正則、須賀健太、遠藤雄弥、明日海りお、峯村リエ、升毅、山口紗弥加、高橋克実
脚本:大石哲也、山岡潤平、小島聡一郎
音楽:菅野祐悟
プロデューサー:河西秀幸、国本雅広、高橋史典
演出:国本雅広、白川士、高橋貴司
制作:カンテレ、ケイファクトリー
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/schoolpolice/
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