『Re:ゼロ』2nd seasonの“勝利条件”をおさらい スバルは人間に留まっていられるのか

 スバルは「すべての大切な人を救う」ということを、これまで絶対に諦めなかった。そしてそのための試行錯誤の中、必要な人々の助けを借りるため、結果的に「多くの人の想いを否定せずにすくい上げていく」という道を選んできた。「すべてを救う」ため、「誰かの想いをすくい上げる」ための行動を諦めないという指針を今回もスバルが曲げないのなら、それはロズワールの要求には背くことになる。しかし同時に、別の方法でロズワールすら救う方法をも探すことに繋がるのではないだろうか?

 人間としての情を捨てなければできないこともあるかもしれない。しかし「すべてを救う」という、ロズワールの意志すらも超えた結末を掴み取ることは、スバルが幾重ものループを繰り返す中、人間としての情を持ち続けなければ成し得ないことだ。

 そして本作で最も“人間の理”から外れてしまっている人物は誰か? それはスバルに“死に戻り”の力を与えた張本人でもある嫉妬の魔女・サテラであろう。彼女を無限に続く嫉妬の苦しみから救い出す方法。それもまた、スバルが「人間であり続ける」側にいなければ見つからないことに思える。これから先、さらに多くの試練を乗り越えたスバルならば、きっとサテラのことも“救うべき相手”と考え、手を差し伸べることもあるかもしれない。

 “死に戻り”を行使して多くの死を経験し続け、ロズワールや魔女たちといった“人の理”を超えた存在と深く関わっていくことは、スバルをも“人ならざる者”の側へと近づけていく。スバルは、戦いの中で増えていった大切な仲間たちへの愛を見失わず「人間であり続ける」意志を持ち続けられるだろうか? 一度でも手放してしまえば、そこに完全無欠のハッピーエンドは有り得ないように思う。ここに着目して『リゼロ』の物語の行き着く先を見届けて行こうと考えている。

■小林白菜
ゲームやアニメーション、漫画などを中心に、作品の魅力について紹介する記事を複数のメディアに寄稿。アニメーションでは『プリキュア』シリーズや『アイカツ!』シリーズなど、女児向けの作品を特に好んでいる。noteTwitter

■放送情報
『Re:ゼロから始める異世界生活』2nd season
AT-X、TOKYO MX、BS11ほかにて放送中
原作:長月達平(MF文庫J『Re:ゼロから始める異世界生活』KADOKAWA刊)
キャラクター原案:大塚真一郎
監督:渡邊政治
シリーズ構成:横谷昌宏
キャラクターデザイン・総作画監督:坂井久太
プロップデザイン:鈴木典孝、岩畑剛一
美術設定:金城沙綾(美峰)
美術監督:高峯義人(美峰)
色彩設計:坂本いづみ
撮影監督:峰岸健太郎(T2studio)
3Dディレクター:軽部優(T2studio)
編集:須藤 瞳(REAL-T)
音響監督:明田川仁
音響効果:古谷友二(スワラ・プロ)
音楽:末廣健一郎
音楽制作:KADOKAWA
アニメーション制作:WHITE FOX
製作:Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会
(c)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会
公式サイト:http://re-zero-anime.jp/
公式Twitter:@Rezero_official

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