吉川愛、かわいらしい笑顔と富山弁で魅了 『おちょやん』でヒロインのよき友人役を好演
千代(杉咲花)は、黒木(ヨシダ朝)に騙されたことがきっかけで自分の本当の気持ちに気付く。連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合)の第23話では、女優になることを心に決めた千代が、撮影所に通い詰め、初めて一座の採用試験に挑み、夢を叶えるために奮闘するのであった。
千代が詐欺事件に巻き込まれたあと、カフェーキネマでは洋子(阿部純子)と真理(吉川愛)が撮影所の試験を受ける。戻ってきた2人は無事合格を報告。はじめは「おめでとう」と受け入れた千代だったが、内心複雑な思いは拭きれない。募った思いがあふれ出した千代は、カフェーの玄関で自分自身に啖呵を切り気合を入れると、洋子や真理の元に戻り、自らの思いを吐露する。同じ職場の仲間の成功を受け入れられない気持ちや、騙されたことへの悔しさ、はては自分を不甲斐ないと感じるが故の情けなさが入り乱れた千代は、とうとう「女優になります」と宣言する。こうして千代は、初めて自身の夢と正面から向き合うのであった。
ここで千代の背中を押したのはまたも真理だ。真理もまた女優を志しており、千代が女優になる話が浮上した際には「自分と変わってほしい」とせがんだほど。だがこの時も真理は、女優になりたい理由を話したことで逆に千代の背中を押すことになった。今回も真理の合格は千代にとっての起爆剤となる。さらには真理が見つけてきた山村千鳥一座の座員募集のちらしのおかげで、芝居の世界につてのなかった千代はやっとチャンスを掴む。真理の存在は千代にとってのよきライバルであり、よき同僚であり、よき友人なのだ。
「おんなじ気持ちの友達がいてくれて心強いちゃ」と富山なまりで話す真理は、どこまでいっても人が良い。ライバルでありながらも千代を邪険にすることもなく、いつも屈託のない笑顔で背中を押してきた。そんな真理を演じるのが吉川愛だ。子役時代から数々の作品に出演し、一時は芸能界を離れるものの芸名を改め戻ってきた。そこから吉川は様々な作品で活躍することに。NHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』への出演や、大ヒットドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)で主人公を演じる上白石萌音の同僚看護師を演じた。『おちょやん』での真理は、かわいらしい笑顔と富山弁で視聴者を魅了する。
そんな真理のおかげで手に入れた山村千鳥一座の採用試験だが、さっそく鬼の形相の山村千鳥(若村麻由美)が現れる。果たして千代は無事、合格することができるのだろうか。
■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter
■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/