佐藤浩市×石田ゆり子×西島秀俊が語る、『サイレント・トーキョー』と日本映画界の現状

西島「浩市さんは、日本の映画界をずっと引っ張ってきた方」

ーー佐藤さんは2020年に俳優40周年を迎えられましたが、『サイレント・トーキョー』はそのラストを飾る作品になります。石田さんと西島さんから見た“俳優・佐藤浩市”という存在について教えてください。

西島:浩市さんは、僕が一視聴者として見ている頃から日本の映画界をずっと引っ張ってきた方なので、逆にどういう思いでいらっしゃるのかにすごく興味があります。きっと、“俳優として”というよりも、もっと広い視野で業界全体を見ていらっしゃっていて、日本映画というものを考えていらっしゃるのではないかなと。だからこれからもずっと支えてください(笑)。どんどん若手も出てきて、いろいろ大変な状況もあるので、どんどん背負うものは重くなっていくとは思うんですけど、僕からすると、やっぱり浩市さんにはそういうものを背負っていただいて、ますます突き進んでいっていただきたいと思いますね。

佐藤:いやいや(笑)。恥ずかしいな。

ーー(笑)。石田さんはどうですか?

石田:ご本人を前にして言うのは難しいですね(笑)。

佐藤:じゃあ俺を中井貴一だと思って言ってよ。そしたらもっと滑らかに言葉が出てくるから(笑)。

石田:(笑)。でも、今回のように浩市さんとご一緒できることだけで喜びですし、光栄だなと思うぐらい偉大な先輩です。浩市さんや貴一さんの世代の先輩って、私にとっては“憧れの世代”というか、とても大きな存在で。私は18歳からこのお仕事をやっているので、もう30年ぐらいになるんですけど、浩市さんたちはいつも私にとって目標というか、上の方でキラキラと輝いている。それがすごく喜びであり、ありがたいことなので、ずっとそうであってほしいです。だからどうか長生きしてください(笑)。

佐藤:僕も中井も思ってることはひとつで。実は「『またあのじじいセリフ間違えたよ』って言われないように頑張ろうな」って言ってるんだよ(笑)。

一同:(笑)

ーー先ほど西島さんがおっしゃられていたような、“日本映画を背負っていく”ということは意識していらっしゃるんでしょうか?

佐藤:いや、そんな意識は全くないです。“日本映画を背負っていく”という意識があると、“観客を裏切っちゃいけない”っていう気持ちがまず絶対に頭に出てくる。でも僕は、逆に観客を裏切り続けたいんです。「佐藤浩市がこんな役やるの?」という役で、どこか観客を裏切りたいんですよ。だから、振り幅が多いと言ってもらえるような存在でありたいなと。日本映画を背負うとなると、自分がやっていくことが限られすぎてしまうと思うので。

ーーとはいえ、意識せずとも下の若い世代が佐藤さんから受け取っているものもたくさんあるような気がします。

佐藤:まあ、ゆり子さんも西島も若い世代ではないですからね。

石田・西島:(笑)。

佐藤:彼らのような中堅、ベテランの人たちに言うことはないですが、もっと若い世代には、「氷の薄さを確認するような仕事の仕方はするな」と言いたい。それはつまり、氷が割れてハマってもいいじゃないかということ。2人の場合はもう確立しているからそれは当てはまらないけど、もっと下の世代の役者にはそういうことを言いたいですね。

■公開情報
『サイレント・トーキョー』
全国公開中
出演:佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼ほか
原作:秦建日子『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』(河出文庫刊)
監督:波多野貴文
脚本:山浦雅大
エンディングソング:Awich「Happy X-mas (War Is Over)」
配給:東映
(c)2020 Silent Tokyo Film Partners
公式サイト:silent-tokyo.com
公式Twitter:@SilentTokyo2020
公式Instagram:@silent_tokyo2020

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『サイレント・トーキョー』佐藤浩市×石田ゆり子×西島秀俊のサイン入りポスターを1名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。

【応募方法】
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