藤原季節×細川岳ら若手俳優が熱演 もがき苦しみ悩む人に勧めたい『佐々木、イン、マイマイン』
佐々木は自分を憐れむようなことはせず、自分自身を肯定し続けます。そして、そんな佐々木の存在に知らず知らずのうちに多くの人が救われていた。悠二が高校時代に佐々木からの何気ない一言によって、役者を志していたように。佐々木の底抜けの明るさと時折見せる寂しさ、そして誰にでも愛される無邪気さ。シーンごとに別人のような表情になる佐々木役の細川岳さんにしびれました。
本作はバッティングセンターが印象的な形で登場します。同じタイミングで決められた球数が投げ込まれるバッティングセンターの機械。最初からあっさり打てる人もいれば、何度やっても打てない人もいます。でも、タイミングさえ掴めば打てるようになるし、“ホームラン”も打てるようになる。かといって、ホームランを打つことが正解ではないし、楽しみ方も人それぞれ。人生も同じ。当たり前ではありますが、自分の人生を“勝ち”と思うも“負け”と思うも、どう楽しむかも自分次第。ただ、打てないなら自分を理解して、打てるように工夫するのか、打てないことを楽しむのか、その選択は必要です。本作の悠二と佐々木の姿から、そんなことを思わずにいられませんでした。
■公開情報
『佐々木、イン、マイマイン』
新宿武蔵野館ほか全国順次公開中
監督・脚本:内山拓也
出演:藤原季節、細川岳、萩原みのり、遊屋慎太郎、森優作、小西桜子、河合優実、井口理(King Gnu)、鈴木卓爾、村上虹郎
制作:槇原啓右
プロデューサー:汐田海平
配給:パルコ
(c)「佐々木、イン、マイマイン」