タイ映画『ハッピー・オールド・イヤー』予告編公開 断捨離を通じて心が乱れていく主人公の姿が

 12月11日より公開される『ハッピー・オールド・イヤー』の予告編と場面写真が公開された。

 2018年に公開されサプライズヒットを記録した『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の製作スタジオGDH559と主演のチュティモン・ジョンジャルーンスックジンが再びタッグを組んだ本作は、第15回大阪アジアン映画祭のグランプリに輝いた“断捨離”ムービー。

 チュティモン・ジョンジャルーンスックジン演じる主人公のジーンは、留学先の北欧でミニマルなライフスタイルを学んだデザイナー。帰国後、実家の小さなビルを自分のデザイン事務所に改装することを思い立ち、モノにあふれた家の“断捨離”を始める。洋服、アクセサリー、レコード、楽器、写真―友達から借りたままだったモノを返して廻り、元カレの持ち物だったカメラを小包にして送り返す。部屋が整理されていくのと反比例して、モノにまつわる思い出が溢れ出し、心は千々に乱れる。時は年の瀬、ジーンは新たな気持ちで新年を迎えることができるのか。

 監督を務めたのは、タイ映画界の新世代旗手、ナワポン・タムロンラタナリット。長編デビュー作『36のシーン』が、2012年の釜山国際映画祭でニューカレントアワードを受賞し、第27回東京国際映画祭でも上映。続く2作目『マリー・イズ・ハッピー』はヴェネチア国際映画祭で上映され、タイ最大手の映画スタジオGTHで制作された『フリーランス』(2015年)はタイ・アカデミー賞で8部門を受賞するなど、インディーズとメジャースタジオ双方でフレキシブルに活躍している。

映画『ハッピー・オールド・イヤー』予告編

 公開された予告編では、「ゴールを設定する」「想い出に浸らない」「迷わない」という3ステップを踏みながら、ジーンが順調に断捨離を始める前半から一転、友人からプレゼントされたCDを捨ててしまったり、カメラを返すために元恋人に会ったことで次第に心が乱れていく様子が描かれている。

 あわせて公開された場面写真では、うず高く詰まれたゴミ袋が並ぶ中でジーンが一人座り込む姿や、元恋人や家族との関係性を窺えるシーンが切り取られている。

■公開情報
『ハッピー・オールド・イヤー』
12月11日(金)シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本・プロデューサー:ナワポン・タムロンラタナリット
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、サニー・スワンメーターノン、サリカー・サートシンスパー、ティラワット・ゴーサワン、アパシリ・チャンタラッサミー
配給:ザジフィルムズ、マクザム
協力:大阪アジアン映画祭
英題:Happy Old Year/2019 年/タイ映画/113分/字幕翻訳:横井和子/字幕監修:高杉美和
(c)2019 GDH 559 Co., Ltd.
公式サイト:www.zaziefilms.com/happyoldyear/

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