眞島秀和が語る、『おじカワ』の経験と同作に寄せる想い 「人に優しくできるきっかけになったら」
「現場でパグ太郎を見ると癒されるようになりました」
――聞くところによると、今回の現場ではテストリハーサルがなく、すぐに本番だったそうで。
眞島:テストはほとんどなかったです。監督は基本的にモニターチェックもされないので、最初はどんな感じになるのかわからない、どこかふわふわした感じが自分の中にはありました。監督とは今回初めましてということもあって、この題材をどう料理されるんだろうというところからのスタートで。そこから、こういうふうに画をつないでいくつもりだからと監督の意図を聞いたり、いろいろコミュニケーションをとっていくうちに、演出の狙いがつかめてきて。そしたら、テストがないというやり方も緊張感があって面白いなと楽しめるようになりました。
――個人的には、シーンによって天候が荒れてるのがちょっと面白かったです(笑)。
眞島:そうなんです(笑)。時間がない中で撮り切らなきゃいけなかったので。第3話で急に雨が降ってくるところとかよく編集でつないだなと思います。あそこがまた(山本)未來さんがお上手なんです。(桐山)漣くんにアドリブで「相変わらず持ってるね、鳴戸くん、雨男」って言うんですけど、なんてうまいこと言うんだって横でびっくりしました。実際、今回は漣くんに関するところで雨のトラブルがたくさんあったので。本人は自分は雨男じゃないって頑なに否定していましたけど(笑)。
――全5話の中で特に印象深いシーンはどこですか?
眞島:いろいろありますけど、そうですね、今思い浮かぶのは、第1話でパグ太郎に追いかけられているシーンですね。目の前にイマジナリーパグ太郎がいて。なかなかないですからね、無言で迫ってくるパグ太郎にこっちが一方的にただ喋っている場面なんて。
――そのシーンもまさにそうですが、小路さんに切迫感があればあるほど観ている方は面白いんですよね。
眞島:まさにそれが監督の狙いで。だからこっちも一生懸命やるんですけど、スタンバイの合間合間で、ふと何をやってるんだろうとは思っていました(笑)。
――ちなみに、撮影が進んでいくうちにパグ太郎への愛着は深まりましたか?
眞島:どんどん湧いてきましたね。現場でイマジナリーパグ太郎がちょこちょこ歩いているのを見ると、ああ癒されるなと思うようになりましたし。今日撮影で使ったこのパグ太郎のグッズもうちにあるんですよ。家でちゃんとかわいがってます。ただ、うちの愛犬が上によく乗っかるんで、すごい潰れちゃっていますけど(笑)。