第33回TIFFオープニング作品は武正晴監督『アンダードッグ』 クロージング作品は『HOKUSAI』に

 第33回東京国際映画祭のオープニング作品が武正晴監督作『アンダードッグ』に、クロージング作品が橋本一監督作『HOKUSAI』に決定した。

 コロナ禍でさまざまな国際映画祭が開催手段を検討する中、第33回東京国際映画祭は、昨年まで実施していた「インターナショナルコンペティション」、アジアの新鋭監督作品の「アジアの未来」、日本の気鋭作品の「日本映画スプラッシュ」の3部門を、「TOKYOプレミア2020」として1つの部門に統合し、この部門の全作品を対象にして、観客が投票する「観客賞」を設ける形で開催することが発表されている。

 『アンダードッグ』は、Netflixオリジナルドラマ『全裸監督』の武正晴監督が、原作・脚本を務めた足立紳ら『百円の恋』のスタッフと再タッグを組んだ人間ドラマ。人生から見放された3人の男たちが、何を賭け、何のために戦うのかを描く。

 スターダムに駆け上がっていく選手たちの陰で“咬ませ犬”として踏み台にされながらも、這い上がろうともがく崖っぷちボクサー・晃を主演の森山未來が演じるほか、過去に秘密を持つ若手ボクサー・龍太役で北村匠海、テレビ番組の企画でボクシングの試合に挑む芸人ボクサー・宮木役で勝地涼が出演する。

 『HOKUSAI』は、「冨嶽三十六景」で知られ、ゴッホやモネなどにも影響を与えたと言われる江戸時代の天才絵師「葛飾北斎」の物語を独自の視点と解釈によって、「人間・北斎」と彼が描いた「三つの波の秘密」を新たに描き出した物語。『探偵はBARにいる』シリーズ、『相棒』シリーズの橋本監督がメガホンを取り、W主演で葛飾北斎の青年期と老年期を柳楽優弥と田中泯が演じる。

『アンダードッグ』
『HOKUSAI』

コメント

武正晴監督

武正晴監督

コロナ後の東京国際映画祭開催にご尽力くださった全ての関係者の皆様に深謝いたします。
拙作『アンダードッグ』は 2020年1月、2月に撮影を行った。コロナ前の我々が失った光景が記録されている。
ボクサーというリング上の孤独者達は観客の歓声なしには殴り、殴られ続けることは到底かなわない。
観客が試合をつくり、語り継いでいく。時に信じがたい名勝負を生み出す。1人では試合にならない。
人生も同様だ。映画創りも同じだと考えている。観客が映画を最後に創り上げてくれる。
2020年東京国際映画祭のオープニングで『アンダードッグ』という映画を観ていただける環境に感謝します。
最後の仕上げは観客の皆様に委ね、語り継いでもらえたらと念じて止まないのです。どうか皆様その日までご無事で。

橋本一監督

映画館、という暗闇の中で生き続けてきた『映画』。
今、その闇が急激な変化を求められています。
時代の流れ、と言うは易し。闇の中、見知らぬ人々が肩を寄せ、泣き笑い怒り楽しむ場所。そこに向けた僕らの想い、HOKUSAI。
暗闇で……ご覧ください。

■開催概要
第33回東京国際映画祭
開催期間:2020年10月31日(土)~11月9日(月)
会場:六本木ヒルズ、EX シアター六本木(港区)ほか
公式サイト:www.tiff-jp.net

TIFFCOM2020
開催期間: 2020年11月4日(水)~11月6日(金)
会場:ザ・プリンスパークタワー東京
公式サイト:www.tiffcom.jp

■公開情報
劇場版『アンダードッグ』【前編】【後編】
11月27日(金)より、ホワイトシネクイントほかにて全国公開
配信版『アンダードッグ』
ABEMAプレミアムにて11月〜配信開始
出演:森山未來、北村匠海、勝地涼
監督:武正晴
原作・脚本:足立紳
音楽:海田庄吾
企画・プロデュース:東映ビデオ
制作プロダクション:スタジオブルー
配給:東映ビデオ
製作:ABEMA、東映ビデオ
(c)2020「アンダードッグ」製作委員会
公式サイト:underdog-movie.jp
公式Twitter:@Movie_UNDERDOG

『HOKUSAI』
2021年公開予定
監督:橋本一
出演:柳楽優弥、田中泯
配給:S・D・P
(c)2020 HOKUSAI MOVIE

関連記事